110 ヨット造り25年 2006/03/29)

今年でヨットを造り始めて25年になる。
ほとんど木造艇ばかり造り よくぞ25年間過ごしてこれたものだ。

売り買いや お金になる修理仕事を横目に見ながらディンギー自作から始めて
ずっとヨット造りに集中できたのは幸せだったと思う。

そして
石の上にも3年
職人が一人前になるには10年
を遙かに通り越して 25年もヨット造りをしている。

何でもだが多少の上手下手はあるけれど やったほどのものだ
毎朝無意識でやっている顔を洗う歯磨きをする等と言うことが下手な人というのはそうはいないだろう
毎日10分の積み重ねは大変な時間になる。
みんな自分なりに一番良いと思う方法を身につけているはずだ。

膨大な時間ヨット造りだけで他のことをやらなかった分 ヨット造りは身に付いた。
一日8時間として
一年300日働いたとして
2400時間
それかける25年間
60000時間
それだけやれば誰だってその道の達人になるのは間違いない。

その道とは
ヨットを上手に造ると言うことです。

ヨットを上手に造ると言うことは
良いヨットを造ると言うことです。

これは一段飛ばした結論です。

間に 図面通りの船型の船を
出来るだけ良い材料を選び
出来るだけ長持ちする船を 出来るだけ早く 安く造る と言うのが入ります。

ではそれが良いヨットかどうかは 船造りには関係なく図面を選ぶ段階で決まっているとも言えます。

良いヨットというのは図面で半分は決まります。
オーナーは自分の使い方を考えて図面を選ばねばなりません。

そしてヨットビルダーは図面通りのヨットを造る能力をもたないといけません。

あとはセンスの問題です。
海を知り何艇もヨットを造ればだんだんセンスも研ぎ澄まされてきます。


いよいよあと一艇注文を受けたら私は楽しかったヨット造りをやめて
最高に楽しいヨット乗りの方に残された時間を割こうと思っています。

今までに私が艇長で全部自分の責任で帆走した距離は外洋のみで37000マイルくらいです。
国内での帆走もみんな合わせると40000マイルくらいは走っているかも知れません。

普通のヨット乗りと自称する人の10倍も乗っていると思いますが、
ヨットを造った時間に比べたらまだまだ始めたばかりという感じです。

シーマンシップ(海で生き残るための技術)を磨き
少しの運を味方につけて
出来るだけ長く海に居たいと思っています。

先ず手始めに今年は「花丸」のシェークダウンで日本一周をしようと考えます。

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