113 本州一周(2006/07/26)

2006年5月15日から2006年7月24日まで40日間に渡る本州一周の航海をした。

航海の目的は「花丸」のシェークダウンだ。
シェークダウンというのは新しくできた船を荒れる海で揺すってみて壊れる所は壊して修理し、
だんだんヨットとしてどんな海況にも対応できる船に仕上げていく課程を言う。

新艇を手に入れたというのはシェークダウンが済んでいない不安な船を持ったと言うことである。

どんな作りの良い船でもシェークダウンが済んでいない内はヨットとして仕上がっているとは言えない。

 

と言うことで今度の航海は毎日毎日次の港に入港するような航海にはしなかった。

連れ合いの和江さんと二人ワッチ(見張り)なので時には3日も続けて航海したこともあった。
普通の人が言う一日は8時間から10時間の航海だが、
僕たちは一日24時間走るのが普通と考えた。

入港してもほとんどの所で風呂に入り燃料を補給して一泊したら次の朝早くに出航すると言うことの繰り返しだった。

だから圧倒的に早い日数で本州一周を達成することが出来た。

最初から決めていた北海道札幌の水野さんと、

帯広の田中さん、

そして岩手の小成さんの所にはゆっくりと滞在した。

田中さんに紹介された新島の磯部さんの所にも2泊した。

 

丁度梅雨の間の航海だった。
母港に帰り着いたというように今日からどうも梅雨が明けたと気象庁も言っている。
予定通りの梅雨の間のクルージングだった。

もし、次回があるならもっとゆっくり半年くらいかけてのんびりと旅を楽しみたいものだと思う。

 

今回の航海で終わりとは思えないが一応「花丸」のシェークダウンは完了したと思う。
「花丸」は圧倒的に丈夫な船だ。

波の中にドシーンと突っ込むような衝撃を受けても全くミシリという音もしない。
「萬丸」で冬に浜名湖から松山まで走ったときの不思議な感覚がよみがえってきた。

FRPの船はたわんで ねじれて 歪んで壊れない構造だが
乗っていて何時もミシミシと嫌な音がする。
動かない木部を内装に使っているからだ。

ところがウエスト工法の木造船は思いきりバウを波にたたかれても波のドカーンという音だけで
船体のひずみ音がしない。

何という堅さなのか。
モノコックの船と言えるのはこんな船なのだろう。
ピンポン球が軽くて丈夫なように、
歪まないで波の上をピョンピョン跳び越える事ができる船だと確信した。

 

もちろん船体構造以外にああしたいこうしたいという改造や修理点は沢山見いだしたが、

そんなことは問題ではない。

時間を見つけてどんどん改造していくつもりだ。

 

シェークダウンとは直接関係ないが、
航海のやり方が今までの昔の航海とは全く違った。

第一海図を一枚も積んでいかない航海だった。

入港案内も誰にもしてもらわないで初めての港へ平気で入っていくことが出来た。

c-mapとGPSのおかげである。

次回海の広場は電子航法について書こうと思う。

 

航海中あちこちで色々な人にお世話になり感謝しています。
本当にありがとうございました。

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