115 レーダー(2006/08/09)

小型ヨットもレーダーを取りつける時代が来た。

余りに高くて買えなかったのが安くなったのと、
あると非常に便利だからだ。

日本海軍が米軍に敗れたのはレーダーが有るか無いかの違いだそうだが、
実際に使ってみて解る気がする。

ワッチが非常に楽になる。

最大レンジにすると12マイル先に居る本船や漁船をとらえることが出来る。

夜は航海灯で比較的早くから本船の位置を掴むことが出来るが、
昼間や霧がかかったときなどはなかなか12マイルも先にいる物をとらえるのは難しい。

レーダーを見てこちらの方向に本船が居るはずだと目をこらしてみて
あ やっぱり居たと見つけることになる。

6マイルとか、3マイル レンジだといよいよはっきりと 晴れていたらレーダーなど必要ないくらい見えるが、
これが霧の時は確実にこちら方向とあちら方向にに船が居ると解って走っているのと、
解らないであちこちから ブオー ブオー と警笛を聞くのとでは大違いである。

僕 たちが行ったとき北海道 函館に来た船は関東から2艇 青森から1艇だったが
「花丸」 も含め全艇がレーダーを備えていた。

津軽海峡の霧は有名で
本当に船首パルピットが見えないような濃い霧が発生する事もある。

そんなときレーダーは僕たちにどれだけ安心をもたらしてくれたことか。

使い方に精通せず雨が降り出して全く視界が悪いのに
雨粒に反射した電波でレーダー画面が真っ黒になってしまったときには慌てた。

船室に駆け下りて必死でレーダーの取扱説明書を読み
何とか雨の中でも本船や漁船が写るようになったときにはホッとした。

今まで瀬戸内海でも何度か眉から水滴がしたたるような霧に巻かれた事がある。

エンジンを止め息を殺して本船の汽笛といよいよ近づいてきたら波の音を聞こうと全神経を集中させて360度をワッチした。
見つけたらエンジンを始動させて一気に逃げる体勢だ。

レーダーを付けた今回の航海は何度も霧に巻かれながらそれほどの緊張はなかった。

目も鼻も耳もその他の感覚器官は船の運航に大変重要な物だが、
それらを補う為の航海機器は出来れば取りつけて上手に使うに越したことはない。

だんだんハイテク船になるなあと誰かに言われたが、
世の中はそちらの方向に流れている。
阻止する必要はないし流れを止めることも出来ない。

安全で楽な航海をしたいというのは帆船時代からの航海者の願いである。

電子海図もGPSもレーダーも安全に寄与する物なら何でもござれの
遊びの世界がヨットだと思う。

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