116 舫とアンカー (2006/08/12 )

今度の本州一周航海で一番気になったのは舫ロープとアンカーの設置場所だ。

花丸のバウアンカーは2.1メートル有るバウスプリットの横にぶら下げている。

チェーン付きアンカーロープにシャックルで繋がり、
そのシャックルのピンには戻り止めの 銅線を巻いてある。

アンカーロープはウインドラス(アンカー巻き取り装置)を経て、
デッキに開いた穴から船首のアンカーチェーンロッカーに繋がっている。

もちろんアンカーロープのエンドはアンカーロッカーの底に確実に固定してある。

今度の航海では一度も使わなかった船首アンカーである。

 

日本の港事情では先ず船首アンカーを打ってヨットを振れ回しにするような港はないように思う。

だから昔から現在まで何時でもアンカーが打てるように船首の先に重いものをぶら下げるというのはどうかと思うのだ。

何時でもアンカーが使える状態にないといけなかったのは常に現在位置を海図上に把握し続ける事が出来なかった昔だから必要だったことで、
今となってはやり方を変える必要があるだろう。

本州一周でも確実に何時間も走らないと陸地には行き着けない所を走るのだから、
急遽アンカーを使わないといけなくなると言うことは考えられない。

と言うことは重いアンカーを舳先にぶら下げて走る必要はないと言うことになる。

 

それともう一つ荒れてきたらデッキに開いたアンカーロープを繰り出す小さな穴から海水が船内に入る。

ほんの小さな穴でキャップもしているが、
デッキを波が洗うような嵐の中を一晩中走るような航海だと結構な量(バケツに一杯くらい)の海水がアンカーロッカーに溜まる。

それが荒れて船が傾き ドーンドーン と波をたたく様な走りをするのだから、
船首のアンカーロッカーに入った海水がそこら中を駆けめぐりフォクスル(船首船室)はずぶ濡れになる。

 

と言うことでアンカーはバウスプリット固定でなくバウデッキまで下げ、

アンカーロープはアンカーから切り離して完全にアンカーチェーンロッカーにしまい込み、
取り出し口にはどんなに荒れても水は一滴も入らないようなフタを付けることにしようと考えている。

そこでもう一つ

舫ロープもそのアンカーチェーンロッカーに必要なときどちらでも取り出せるしまい方で 一緒にしまっておけば、
入った港によって舫を取り出したり、
アンカーロープを取り出したり出来ると思う。

花丸の物入れは船尾にしかないので、
何時も入港というと物入れから船首と船尾に舫ロープを 持っていって舫ロープのセットをしないといけないのは面倒だ。

船尾デッキにも舫と船尾アンカーラインの取り出し口を作ろうと考えている。

もちろん完全水密の取り出し口にする。

 

もしこの考えが上手くいけば入港時に重い舫ロープを持ってデッキをうろうろするようなこともなくなり、
日本ではよく使う 船尾アンカーも随分楽にセットして簡単に使えるようになるだろう。

これが今度のシェークダウンで得た一番の改善点だと思う。

 

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