132 出航前日 (2007/10/28)

いよいよニュージーランドへ出航する日がやってきた。

出航は明日の朝早くだ。


 

思いついておよそ半年

日本の法律を守るために先ずは尾道海技学院で一級海上特殊無線技師と言う資格を取るための講習を受けた。

小型船舶免許と同じで講習を受ければ誰でも通るお金で買うような免許だ。

それで何か身に付いたかと言われると
全くそんな事はない。

 

続いて

一級海上特殊無線技師の免許が来てから

「花丸」の航行区域変更手続き

ライフラフトと
イーパブと
双方向無線機を買う

一つ一つ桜マークが入っている小型船舶検査に通るための事前検査をした物を買わないと受け付けてもくれない。

おまけにイーパブと双方向無線は総務省の四国総合通信局へ何度も足を運ぶ事になる。

そして最後は業者の手を借りないと出来ないような電波発射テストをする事になり流石の僕もギブアップ
書類上だけだが業者の手を借りてやっとそれらを使う免許が下りる事になった。

しかしSOSを出すために免許が必要だなんておかしな国だ。

海外なら半分の値段で免許も必要がない。
それはSOSだけのために使う物だから当たり前の事だと思う。

そして

次は国土交通省の船籍証明という紙を作りに国土交通省へ。

これは直ぐに出来るし結構安い手数料で済む。

全て揃ったら小型船舶航行区域変更の検査
検査と言っても桜マークの入った法定備品が乗っているかどうかだけだ。
何もかもお金を払って新品をそろえたので全く問題なく遠洋区域に航行区域を変更できた。


 

いよいよ出港手続き

税関へ行き港から港へという出航の書類を書き込み、
船のクルーリストも書き込む

 

その後イミグレーションへ行き

パスポートに出国のハンをもらう。

これで出国出来る事になった。

 

面白いのは各役所はそれぞれ独立で横のつながりは無いようだ。
イミグレーションでクルーリストを出せと言われたので、
それは税関に渡して持っていないというと

コピーでよいからもってこいと言われた。

引き返して税関へ行くのも面倒なので税関職員で手続きをした人に電話をすると
イミグレーションの人と変わって欲しいと言われ、

結局新しくクルーリストを書く事でOKとなった。


もっと面白いのは

出国には一級小型船舶免許も遠洋の船舶検査証書も無線の免許も何も必要ないという事だ

只必要なのは

外国へ行った時に何処の国の船かを示す国籍証明書(国土交通省発行)

そして何処の港から来たかを示す出航証明書(Port to Port)(税関でその場記入)

それとパスポート

その三つが世界に通用する書類だという事だ。


海は世界の国を隔てていると同時に世界中と繋がっている

海を航行する物 同じルールの下で運行しないとおかしな事になる。

何処でも世界中船は右側通行だし、

どの国に属している船かを証明する書類も必要だろうし、

どこから来たかが証明できる書類は必要だと思う。

もちろん人に関してはパスポートが必要になる。

そんな世界のルールを無視して
船舶免許や
船舶検査証書や
海上特殊無線技師免許を取らないと世界へ船出させないという日本の法律は世界に通用しない。

しかもそれらを取るのに100万円単位のべらぼうなお金が必要になる。
そんな国は世界中探しても見あたらない。

外国船籍の船で外国人が運転するのであれば小学生が日本国内で運行しても船検証も免許も不要というような日本人だけ締めるけるようなおかしな事になるのだ。

海洋国日本が聞いてあきれる
鎖国日本その物ではないのか。

たいして大きくもない官僚や政治屋の手のひらにのせておくには
日本の未来を切り開くヨットは大き過ぎはしないかと思う。

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