136 New Zealand からNew Karedonia  2008/06/03 

New Zealand滞在 1ヶ月と3週間いよいよ出発の日が近づき帰りの航海の事をしきりに考えるようになった

Yannickさんにも近所のセーラー達にもどう帰るのが一番安全で早いだろうと聞いてみた

世界中を走り回ったセーラー達は一様に今の季節New ZealandからNew Karedoniaは楽なものだずっと追っ手だから40フィートなら1週間だという

「花丸」は行きの航海は風に向かって走る事が多く
ウインドベーンの空中翼根本が折れたので合板の応急翼を作り追っ手ではウインドベーンの性能をほとんど試していない
ウインドベーンの折れた空中翼を修理して以前より少し重くなったがまあ追っ手を試してみようと考えた

New Zealandに来る時はとにかく着かないと話しにならないからシェークダウン航海とはいえ無理はしていない

New Zealand到着前の数日サイクロンに巻き込まれ非常に荒れた海を経験したが(風力10)
その時はセールを下ろしてしまいベアハルでマストにかかる風圧だけでヒールし軽く3.5ノットくらいのクォーターリー (斜め追っ手)
全てのハッチを閉めて船内で眠った

その時にウエストシステムで作った木造船の堅さを身をもって体験した
ほとんどの波は船が軽いので浮き上がって船は波の上を行き何も感じなかったがたまにドカンと船体に突き当たる波も
衝撃ではあるがミシミシ言うような音は全くなくて船体は全く歪んでいない硬いシェルだと感じた

帰りは本当のシェークダウン航海
今度こそよほどの事がないかぎり「花丸」の限界まで走らせようと考えた

やるぞ と言う緊張感でいっぱいの出航だった


New Zealand Bay of Island を出航して だんだんNew Zealand の島影も小さくなり
New Zealandでお世話になった皆さんありがとうそしてさようならと長いようで短かった滞在の日々を思い起こす出航の日

最初はアビーム(真横からの風)そして夕方までにはみんなが言ったように本当に追っ手の風が吹き始めた

出航を見送るように羽を広げると3メートル以上も有ろうかと思われる白と茶色のアホウドリが「花丸」に近寄ってきた
飛んでいる時はほとんど羽ばたきもしない実に堂々とした大鳥だ

滑空する海鳥は海面ぎりぎりを左右どちらか片方の羽の最先端の一枚が海面を撫でるように飛んでいる
顔は前を見据えているが海を羽の先でなぞっている感じの飛び方をする


ウインドベーンは応急の物ではなく本来の中空の物を修理したので
空中翼が軽くなったせいか鉛の重りで直立し
微風から超強風のプレーニング状態まで実に良く働いてくれるようになった

クォーターリーの風 風力5から6で疾走する「花丸」

平均速度が7knot を超えしばしばプレーニングをする
僕のスピードメーターは起動させて消すまでの最高速度と平均速度を表示できるが何と最高速度は16knotを指していた

New Zealand出航から全くティラーに触らないでウインドベーンの角度を微調整するだけNew Karedoniaまで何とも楽な航海だった

そしてOpuaを出てから6日と10時間でNew Karedonia Noumea入り口の珊瑚礁の切れ目まで到達
とうていクルージング仕様32フィートの船の速度とは思えない早い走りだった

日が傾いてパスを目の前にしてその日の入港はあきらめ外洋でセールをおろし漂う事にした

翌朝はよく晴れ風も凪いで僕たちにとっては願ってもない入港日より
ゆっくりとエンジンを使ってパスを通過
航路に沿ってNoumeaに入港した

毎日のように160マイルを超える速さは全航海でいちばんのスピードだった
「花丸」の操船しやすさとそのスピードを改めて確認した航海だった

Yannickさんに6日と10時間だったよと電話を入れると
「花丸」早いねー オー・ワンダフルと言う答えが返ってきた

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