141 ヨットあげます (2008/09/20)

僕たちヨットに関わる仕事をしている者の処には時々もう乗らなくなったヨットを只であげますという情報が入る。

中古ヨットの売買をしている業者だと僕の何倍ものそんな情報を持っているはずだ。

僕がヨットを始めた30年ほど前ではとても考えられない状況です。
その昔ならどんなヨットにしろあげますというならもらって傷んでいるところを修理して乗ろうという人がいくらでも居た。

ヨットは普通の人には全く無縁の高額で手の届かない存在だった。


処が今は状況が全く変わってきた。

ヨット狂いの爺さん達は既にヨットを持っている。

若者は きつい・苦しい・汚い ヨットの世界には入ってこない。

のんびりと大海原を走るヨットの夢など見ることが出来ないほど世の中がせわしくなっている。

ヨットの世界は日本だけでなく外国でも若い人が入ってこなくなっているようです。

未来に希望がない。
テロとの戦いと称する巨悪のアメリカが世界を牛耳った形になっている。
経済的にも世界が一つになり世界全体が不況で不安定。
そんなのも原因の根底にあるように思います。

子々孫々 未来永劫 と言う考えが崩れとても優雅なヨットなどやっているときではないと言う若者の心理でしょうか。


おまけに不法係留という名目で河川や漁港からプレジャーボートを閉め出しいよいよ安い泊地を探すのが難しい。

その上どうしようも無くなって廃棄処分にするFRPヨットにはリサイクル法が適用され、
全部の部品を取り外した後 裁断して法律が決めた一定の場所に運び、
樹脂を燃焼させて熱エネルギーを得ると言う絵に描いた餅のような法律が出来ました。

その費用を最終的にヨットを廃船にする人が払うというのですから廃棄するヨットにそんな大金は払えない。
只であげるというヨットはあちこちにあるはずです。


只でもらっても手を入れればちゃんと乗れるヨットになるのかどうか、
もしかしたら形だけをとどめている強度のない危険な船ではないのか、

置き場は確保できるのかどうか。

もし廃船にするようなことになればどのくらいお金がかかるのか。

お金を出して中古船を買うときと同じ事を心配しなければなりません。

それでも僕は昨日「日替わり写真」に乗せた「キャナル19」を手入れさえすれば充分楽しめるヨットだと思います。

34年前卒業と同時に入社した兼松江商のヨット工場で  
もしかしたら僕が組み立てた船かもしれません。

船体はしっかりしています。
船外機ですがエンジンも新しくて動きます。

ハッチヒンジーが壊れています。
ステー類・ハリヤード類は取り替えた方がよいでしょう。
その他細かい修理箇所多数。

どなたかこの船をリストアして乗ってみようと言う方居ませんか?

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