145 時間とお金とヨット (2008/12/03)

いよいよ団塊の世代の人たちの退職が始まった。

がむしゃらに働いてさあ退職
念願のヨットをやるぞと思っている人もきっといらっしゃることでしょう。

回りの人たちを見回すと人生を途中で卒業してしまった知人・友人、
卒業とまで行かなくてもみんながみんな元気いっぱいとは限らない。
そんな中で自分自身の残りの時間を真剣に考えるようになる。

長生きをすると言っても人の世話にならないで自分の力で自由に動けヨットを思うように操るには
本当に残りの年月は少ないのだと自覚する。

アメリカ発の大不況も何のその今までかかって働き貯めたお金を使ってヨットを作ろうなどと考える人もたまには居る。

その前にヨットに乗る技術を身につけないと話にならないとヨット教室に入った人も居るに違いない。
ディンギーから入った方がヨットの腕は上がります。
と言われてディンギーのヨット教室に行く人も居ることでしょう。

卒業したら一人で何とか自分の船を安全に運行しないといけない。
古いヨット乗りに教えてもらったり見よう見まねで船を出し入れするのです。

ところが今のヨット界 実に入りにくいのです。

声の大きな レースをする人たちにはのんびりゆっくり本来のヨット(目的を持たない船)の乗り方をしようとしている人たちにはとてもついていけません。
又年月を経たヨット乗りと称する人たちはたいていお山の大将で自分の殻に閉じこもりそれぞれが真反対のことを教えてくれたりするのです。

まれに一人乗りでひっそりと毎週のように出航すると言うようなヨット乗りも居ますが、
そんな人は これまた初心者に懇切丁寧にアドバイスをするというようなタイプではありません。

それでも退職されてヨットの世界に入りお金も時間も自由に使ってヨットを楽しんでいる方も居るにはいます。

お金はいくら有り将来いくら入ってくるか大体の予想はつきますが、
時間は予想がつきません。
極端な話 生まれたての赤ん坊も100歳の老人も一人一人の人が自分の残り時間が解らないからまあ日々楽しくやっていけるのかもしれません。

その残り少ない時間を何のためにヨットに乗るかと考えると、
僕の場合は今となっては楽しい思い出作りという答えしか見つかりません。

地位も名誉も名声もお金も持ち物もおよそ世の中で大切だと思われている物が何も役に立たない海の上
自分に与えられたたった一度の人生 残る時間をいかに楽しい思い出作りに使えるか

ヨットの世界以外でもリタイヤ後のまだまだ元気な人たちは残りの時間を楽しく有効に使おうとがんばっています。
そんな元気人間が時々テレビに出てきて僕たちをホッとさせてくれます。

時間とお金は使いよう
太古の昔に帰り 自然と戯れ 楽しい思い出を沢山作るために
熟年新人ヨット乗りが増えることを願っています。

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