2000/8/11 16 オートパイロットとウインドベーン

 最近のオートパイロットの普及には目覚ましい物が有ります。値段が昔とくらべると非常に安くなった事と、ソーラーパネルの普及により電力の供給が容易になった事に原因が有ると思います。それに最近のオートパイロットは昔に比べて電力消費が押えられている様です。機走の時や、超微風の時等は誰でもハンドリングは面白くない物の様です。シングルハンドで風上に向かって機走させながらメインセールをあげる時等にも絶大な威力を発揮します。シングルハンドの強い相棒と言った所でしょうか。


 それに比べて、ウインドベーンはイマイチ普及が遅れています。こてこてのメカニックな仕掛けは、どうしても値段が高くなりますし、トランサムに取り付けるにはその重量は重すぎると思われる物が市販品の殆どなので、小さな日本の船には向かない様です。しかしどちらか一つと言われたら、私ならウインドベーンを採ります。風が吹けば吹く程その威力が発揮され、行きたい方向をひとりでに保ってくれる。ヨット乗りに取ってこんな好都合な物は有りません。スプレーを被る程吹いている時に、じっとコクピットに座って船の方向を保つと言う事は、望んで楽しくやる様な事では有りません。瀬戸内海のデイクルージングでさえもウインドベーンが有れば、舵取りから解放されて色んな事ができる訳です。ビールを飲む、コーヒーを入れる、ビジターとおしゃべりを楽しむ、食事を作る、トイレに行く、本を読む、その他の事がワッチを別にすれば、港の中と同じ様に楽しめる訳です。どなたか、オートパイロット並みの軽くて、安くて、良く効くウインドベーンを考えていただけませんか?デジタル流行りの世の中でデジタルの世界からは程遠いヨットを走らせるには、やっぱりウインドベーンの方が向いている様に思うのです。数字では表しにくいヨットを走らせると言う事を楽しめる人達なのだから、感覚で誰にも簡単にセット出来て使える様な、安くて軽いウインドベーンが世の中に有れば、ヨット乗りに受け入れられる事間違い無しです。


 ここでもう一つオートパイロットにもウインドベーンにもまたがる話ですが、船の持つ固有の直進性能と言うのが考えられます。直進性能の良い船であれば、オートパイロットもウインドベーンも負担が少なくて、小さい力で良く働くと言う事です。丈夫で軽くて速くて直進性能抜群の船に、オートパイロットプラスソーラーパネルと軽量ウインドベーンが私の理想とする船です。


2002/1/4
以下のようなお便りを頂きました。
これは次の航海で堀江謙一さんが使おうとしているものです。

池川さん、海の広場をいつも楽しく
拝見させて頂いております。
氏のシーマン哲学には全く同感です。
ところで、2000年8月にオートパイロットと
ウインドベーンについて触れられていましたね。
小型で軽いものが良いと・・・・
ありますよ。ご存知とはおもいますが以下の URLを
ご覧くださいませ。

http://www.windpilot.com/index.html

龍野隆二

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