167 「竜王」修理−1 (2012/01/22)
1969年進水「竜王」の修理を始めました
「竜王」進水時の記事
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「竜王」設計者Olin Stephens氏に関する記事
往年のヨット乗りで「竜王」の名前を聞いた事がないという人は居ないくらい有名な船です
美しさもさることながら速さでも当時は出るレース全戦全勝の輝かしい戦績を残して居ます
さてこの「竜王」去年まで宮城県で時間をかけてレストアされました。
さあレストアも終わり試運転も済ませ、
関東に廻航して帰るとなったときにあの東日本大震災とそれに伴う大津波が竜王を襲いました。
去年の年末に震災で傷ついた「竜王」を本当に修理できるものかどうか下見に行きました。
もう震災から半年以上も経っていると言う状況でしたが、
周りの復興は進まず文字通りの瓦礫の山があちこちにありました。
山というより遠くから見ると大きな平らな丘のようです。
あれは何ですかと聞いて近づいてみると瓦礫で出来た大きな丘でした。
車で走るとそんな大きな丘があちこちにあるのです。
それに海の近くには家はなく元家が建っていただろう基礎のコンクリートばかりが目立ちました。
「竜王」は廻航待ちで陸揚げされていたものが震災後傷つきながらも港の真ん中に自力で浮かんでいたそうです。
と言う事で今回は「天城」レストアの時と違い傷ついた部分の修理が主な仕事です。
船体が全てマホガニーをクリヤーピカピカの仕上げになっているので繊細な技術と平面出し・そしてクリヤー塗り仕上げが求められます。
2011年末 晦日も迫る22日「竜王」はアンカレッジマリーナに到着。
僕の工房は入口の高さが3.5メートルしか無くて竜王を工房に入れる事が出来ず、
マリーナにパイプハウスを建てて雨風をしのぐ事になった。
竜王到着後手配していたパイプハウス土台の枠を組み立て、
パイプハウスの材料を持ってきてもらい一気にパイプハウスで竜王を覆った。
竜を檻に入れたという表現がぴったりのパイプハウスだ。
おりしも今年は辰年で「竜王」も早く檻を出たいだろうから、
大急ぎで修理をする事にしよう。
又何度かに分けて修理の様子や「竜王」に関する情報が解れば海の広場でご紹介します。