168 「竜王」修理−2 (2012/03/08)
「竜王」の修理を初めて2ヶ月以上になるがまだ壊れた悪い部分を取り除いているという段階で修理らしい修理はしていない。
海水に浸かったエンジンを新替するために降ろした。
プロペラシャフトも曲がっていたので新替。
エンジンベットの下に溜まった大量のヘドロを取り除き白色ペイントを塗るための準備。
ラダーを新しく作り替えるためにシャフトごと引き抜いた。
船底に見つかった古い外板の腐った部分を取り除く。
船体に開いた穴を塞ぐために外板をスカーフ繋ぎ出来る様に切り抜いて斜め切り。
外板全体を塗り直すことになり二液ウレタンニスを焼き剝き。
船内右舷折れた3本のフレームに増しフレームを抱かせるために白ペンキを剥がす。
今までにやった主な仕事はそんなところか。
アンカレッジマリーナへ竜王が来てから寒い冬に露天で仕事をする訳にはいかずパイプハウスを建てたのも一仕事だった。
暖かくなる前に接着準備をみんな終えて置きたいと思う。
エポキシ接着で気をつけないといけない温度管理は今の状態では自然に任せるしかない。
暖かくなれば一気に接着の仕事を進めるつもりで居ます。
今からの仕事は
それぞれのフレームの形に合わせ増しフレームを積層接着して現場に合わせて削り折れたフレームに抱き合わせる。
表面を揃えた後スカーフ繋ぎで外板を繋ぎ、
同時にフレームにも接着する。
もちろん以前よりも強度を出すためにフィレットを付けたら良いところにはエポキシフィレットを付けます。
フレームが折れていないで穴が開いた外板部分もスカーフ接着で外板を充分な強度が出るようにつなぎ合わせる。
水線下の船底部分の外板穴は埋め終わったらダイニールクロスを使ってエポキシでライニングします。
ラダーは全く新しくステンレスシャフトから作り直しです。
内側に独立発泡体を挟んで軽くて丈夫なラダーをという注文が出ています。
ラダーを受けるスケグの部分も損傷を受けているので作り替えます。
ケヤキで出来ていますが接着とビス止めを併用して強い物にするつもりです。
もちろんその部分もダイニール加工をしなければなりません。
外板が全部張れたら船内エンジン下の塗りや右舷棚の塗りそして右舷コクピット物入れ内部の塗りなどを進めるつもりです。
電線の配線も海水が入った部分はやり直しです。
クリヤー仕上げの外板部分で強度には関係ないが表面に傷がついた部分は、
外板の形に添って傷の部分表面を切り取り埋め木細工のように表面を入れ替えることになります。
トーレールとスタンションポスト下の傷ついたチークの入れ替えもあります。
外板全体の平面出し磨きと(ボードサンディング)一液性の本物のニス下地塗りまでが僕の仕事です。
そこまで出来上がれば関東に廻航して塗りの専門家にニス塗りは任せることになっています。
主な仕事はそんなところですが、
マスト立てやスタンション修理・パルピット修理その他細々とした仕事が沢山有るでしょう。
全て終われば竜の檻を解体してエンジンを積み込み関東へ廻航します。
5月末の完成予定ですがさてどうなることか。
梅雨になればエポキシ接着が出来なくなります。
それより遅くなった場合 竜の檻は台風には堪えられないでしょう。
今から夏になって暑くなればビニールハウスの中では仕事をする気にもならないくらい暑いでしょうから出来るだけ早く完成させないといけません。