177 PSSシャフトシール 2013/04/16

「花丸」ではPSSシャフトシールを採用している。

これは「瀬戸壱丸」の野中さんにもらった物です。
彼は始め「瀬戸壱丸」にPSSを取り付けて降ろしたのですが、
停泊場所が興居島(ごごしま)でフェリーに乗って行かないといけないので週に一度行くのがやっとです。

水が入り始めたら止めることが出来ないPSSシールは怖いから止めたと言ってそっくり僕にくれました。
そしてグランドパッキンを使う従来のシャフトシールを採用しています。

新しい物好きの僕はこのPSSを買うつもりだったので喜んで頂きました。


その時同時に野中さんのアイデアも頂きました。

グランドパッキンのシャフトシールにもPSSシャフトシールにも使える船内に一滴も海水を入れない方法です。
100円ショップで食パンを保存する用のプラスチック容器を買って来て、
前後にシャフトを通すU字型の溝を切り、
シャフトが回転するときにシール面から飛び散る細かい水滴まで集めるという方法です。

グランドパッキンは締め付け部分を焼かないようにシャフトが回転すると数秒ごとに一滴の海水が冷却水として船内に入ってくるようになって居ます。
その水もこのプラスチック容器に受けようという仕組みです。

グランドパッキンシールの場合はエンジンを止めてから灯油をストーブに給油するシュポシュポポンプでペットボトルに吸い出して船外に捨てます。

いずれにしても飛び散る海水粒がみんなこの容器の中に集められるので、
エンジン後部のカップリング部分が錆びません。

パン入れ容器のふたもして海水の飛沫が飛び散らないようにしていると、
PSSシールのステンレスフランジとカーボンの当たっている部分から海水が飛び散ってその痕がパンケースの内側に着いています。

PSSシールの場合は水が入ってくるのはエンジンを始動させたときの揺れから入ってくるほんの数滴だけなので箱の海水も溜まりません。

と言う事でエンジンルームはと言うか花丸のビルジは全く乾いたままなのです。

野中さんは他にも色々な工夫を考えつき、
10個思いついたら1個くらいは使えるアイデアが有るそうです。
彼の船「瀬戸壱丸」を見せてもらう度に面白い工夫に目を見張ります。

ヨットライフはそんなことも楽しめる未開拓分野でもあります。
初めてのことを創造する喜びはたまらない物が有ると思います。

僕も何か思いついてお返しをしないといけないと思っています。


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