183 バラスト周りの修理-5 2013/08/01
夏の盛り暑い時期に船内FRP工事は地獄です。
スポットクーラー吹き出し口をスルーマストの穴から船内に差し込んでの仕事です。
FRPカットやサンディング粉はは送排風機の大きなダクトを使ってキャビントップの明かり取りハッチから外に排出しました。
工房備え付けの三相交流200Vおばきゅう集塵機よりも広い範囲の粉を吸い取り工房外の工事としては送排風機設置は多少ましだったでしょう。
この2つの機械がなければ夏のFRP船内工事は先ず無理です。
今度は床下部分バラスト周りの工事なので関係のない船首や船尾の部屋にメインキャビンのものを全て詰め込んでおいて、
バラスト上のエンジンを除いて何も無くしておいてからFRPの細かい切り粉が他の所に入らないよう全てをマスキングしました。
夏に風通しが悪くなりますがスポットクーラーの風を頼りに仕事をしました。
やっと床下の大工事は殆ど終わり今からは切り取って元に戻した部分の面出しと最終仕上げです。
全てのFRP工事が終わったら(表面が綺麗になったら)先ずは足場が安定するように床材を敷き詰めるつもりです。
勿論今からの工事で傷が付かないように養生は欠かせません。
最初解体していった時にちゃんと元通りに組み立てられるよう沢山の写真を残して居ます。
エンジンオイルパンを元に戻しエンジンとセールドライブを組み立ててエンジン据え付けです。
とてもじゃないが覚えきれないくらい沢山のエンジンコントロールや電装品や排気や給水、
燃料系統や一次冷却系統これらを出来るだけ忠実に元に戻します。
エンジン屋さんにお願いして全てを点検し一度船台の上で冷却水を送り込んでエンジンを始動してみるつもりです。
エンジンが座れば次はエンジンを覆う様にエンジンボックス兼メインキャビンテーブルがあります。
これが綺麗なチーク合板と無垢のチークで出来ているのですが、
衝突の衝撃で接着が外れ動いて隙間が出来たところが多数有ります。
きちんと元の様に強度を出しておかないとこの辺りも嫌な振動やエンジンと共振の原因になります。
ざっと解体していく時の写真を見ましたがこれを元に戻すのは少なくとも解体時の3倍くらいの労力が必要でしょう。
バラスト船首側上の補強を切り取るために取り外した右舷前座席も元に戻さないといけません。
これはまだ接着が効いていたのでノミではつってしまいました。
見えるチーク合板の部分が傷んだのでこの部分にも木工技術が必要です。
清水タンクの配管や電気の配線などもこの箱の中に収まっていました。
バラストの周り船体側は殆ど元通りに直りました。
後は暗礁に乗り上げた時のバラスト底の傷を治すために、
一度マリーナで船を持ち上げバラスト底に入れて居る木の位置をずらしてもらう必要があります。
今バラストを真ん中で突き上げて船台から船体にかかる力を少しでも弱めている訳ですがこの木を前後に分けて今 木がバラストと当たっている面を仕上げます。
大掃除をして海に帰せるのはやはり8月も末頃でしょう。
長かったような、
苦しかったような、
一仕事でしたがほんの3ヶ月あっという間の仕事でした。
今からは体力勝負の荒っぽい仕事ではありませんがヨットでは大切な美しさと強度が要求される仕事です。
自信はありますがちゃんと直って以降海水の浸入など無い事を願っています。
一仕事終わったら一生懸命「花丸」に乗るつもりでいます。
今からあれもしたいこれもしたいと楽しみです。
秋の風が吹き始めたら本格的なヨットの季節が始まります。