194 チークデッキ 2 2014/08/01

FRPのデッキにチークを張るという仕事が続いた。

木工は楽しいのでデッキにチークを張るだけでも僕にとっては面白い仕事だ。

本当は厚味12ミリ以上有るチークを張るのが今までのやり方だがそれは木ネジでチークをデッキに止めつけ木栓を打って木ネジ頭を隠すという止め付け方をしていたからだ。



今はデッキとチーク材を留めるには木ネジは使わない。
シーカフレックスと言う強力なチークデッキ接着専用の接着材で留める。

借りに接着が終わるまで木ネジを使っていたとしても接着が終われば木ネジは木の中に残らない様に抜き取る。

もちろん埋め木はするが木ネジは残っていないので船内に水を呼び込むこともないし木ネジが無いので深い木栓を打てる。
デッキが研いて薄くなってきても木栓が外れにくい。

 

今やっているヨットのチークデッキはデッキの曲がりがきついので先に4ミリ厚味のチークをデッキ全面に1層張っておいて次に6ミリ厚味のチークを曲げ付けている。

工房での仕事ならいくらでも天井から押さえつけることが出来るが外仕事なので押さえるのが難しい。
厚味6ミリ 巾35ミリのチーク板も曲げると跳ね上がろうとする力が働く。
無理やり押さえ込むのは船の現図引きに使うバテンを押さえる魚型文鎮という鉛の重りで押さえる。

曲げ方向にはシアーのガンネル材から突っ張りを入れて無理やり曲げる。

だから一日に左右一本ずつしか張る事が出来ない。

 

まあ炎天下足場が斜めで狭いデッキ上 チーク材を合わせて曲げ付け切断して次のチークを合わせとやっていると一日に左右一本ずつが限界の仕事だ。
船を上架したのが7月7日なので8月7日までに降ろしたかったが中々難しい。

台風12号が九州の西を通り松山も雨
11号も同じ様に北北西に進んでいるので7日くらいから又雨と言う予想なのでチークデッキ接着の仕事は遅れる。


 

木工の職人が造船現場で一艇一艇チークを一本ずつデッキに張る様な造船所は無くなりつつある。

世界に多く出回っているFRPの船では工場以外でコンピューター裁断されデッキの形をしたチークの板が届きそれをデッキに接着するだけで木工職人は必要なくなった。

実は僕もそういう方法でコンピューターカットではないがコクピットのチークを張る部分の形を取って送ってもらい、
その形の通り工房でチーク材を接着してチークデッキの塊を作り、
それを送ってオーナーに張ってもらうというやり方を考えている。

コクピットの座席部分だけでもチークにするとFRPヨットもずっと居心地が良くなる。

宇和島の友人徳田さんの「だんだん」(宇和島弁でありがとう) はそういう方法でチークデッキを僕が作り本人が張った1号艇です。

http://barbertokuda.blog.jp/

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