197 エンジン排気システム変更顛末記

新しくしようとした排気システムの部品写真とそれぞれの重量です。

  1.1キログラム

 

 13キログラム

 

 1.25キログラム

 10.25キログラム

合計重量は25.6キログラム+VITAS排気ホース1.55キログラム=27.15キログラムになりました。


古いウォーターロック排気システム部品の重量は

ミキシングエルボーーーーーーー0.65キログラム

Vitas排気ホースーーーーーーー0.82キログラム

ウォーターロックーーーーーーー1.08キログラム

(ウォーターロック内に溜まった冷却水)-----およそ3キログラム

Vitas排気ホースロングーーーー4.3キログラム

合計重量は9.85キログラムになります。


重量的に新システムは旧排気システムの2.5倍の重さになり新システムが不利だと言うことが解ります。

そして 僕の解る範囲で言うと確実に排気音が圧倒的に新システムの方が煩いです。
何しろ排気を全く逆の圧力をかけないでそのまま後ろに導いただけで放出しているからです。

エンジン回転数が同じならプロペラを替えていないのだからプロペラシャフトの回転も同じで船のスピードは変わらないはずだと言う人も居ますが、
明らかにエンジンのパワーが無くなりスピードは落ちた感じです。
こんな計測できることを感じで言ってはいけませんが同じ風速で同じ波で同じ潮流で船底も同じ汚れでスピードを測ると言うのはなかなか難しいのです。

後はアクセルを倒した時の吹き上がり速度が旧排気システムよりも新排気システムの方が速くなった感じでした。


ご本人の許可を得て松山のMさんに頂いた排気管に関するメールをご紹介します。

「池川さん、

日替わり写真の排気システムを拝見しました。思ったような結果が出なかった上、エンジンルームの掃除まで、余計な仕事を作ることになり、残念でしたね。

四輪や二輪のメーカーは、新車を開発するとき、排気マニフォールドからエキゾーストパイプ、消音機、排気端部に至るまで、様々の長さの組み合わせを何種類も作って、吸気、排気システムを含めたエンジン系を、ダイナモメーターに掛けて、トルクカーブを測定し、さらに、エンジン系だけでなく、車に乗せた状態で、駆動輪からの出力を、回転数とトルク、馬力曲線を測定して、それで、その車種にあった常用回転と、その車種のチャームポイントになる回転数あたりに、トルクカーブのいい所がくるように、試行錯誤を繰り返すそうです。

一昔前のメーカーには、経験の集積がたらなくて、全て試行錯誤の連続で、メーカーの工作室は、長いのや短いのや排気管だらけになったそうです。欧米の論文を読んでは、こんな感じだろう、というので、作るけど、実際にダイナモメーターに掛けてみたら、思ったような出力曲線にならなかったり、エンジン単体だとうまい具合だのに、実際にフレームに積み込み、駆動輪をダイナモメーターに乗せてみると、意外に、駄目だったり、苦労の連続だったようです。

今は、経験が積み重なって、おまけにコンピューターによるシミュレーションもできるので、大体うまく行くどころか、排気音まで演出できるそうです。

私のスーパーカブのマフラーの中にバッフル管といって、消音するための管を入れるんですが、最初なかったので、取り寄せて装着した所、かえって、調子良くなった気がしました。行きつけの自動車屋の親父は、やっぱりバックプレッシャー(背圧)が必要なんだろうな、と言ってました。

だから、多分、ヨットのエンジンも、ヤマハやヤンマーとかメーカーは、狭いエンジンルームや海水の侵入が常にあるような条件などの制約の中で、それなりに、効率の良いところというのを勘案して、排気系も一緒に設計してあるんじゃないでしょうか。

ただ、排気管の末端の舟の外に出る部分から、海水が入ったり、出たりするたびに、排気抵抗の変動が常にあるというのは、問題なんじゃないかな、と思いますけど、そこんところはどうなんでしょうね。」

 

Mさん以外にも色色ご指導を頂きありがとうございました。


と言う事で今回のエンジン排気システム変更劇は敗北のまま残念ですが撤退することにしました。

排気システム変更を思いついて色色個人的にご支援下さったマイミク「ハーモニー」の生駒さんありがとうございました。

特殊フレキ管を下さったTさんにもお礼を言わなければなりません。

排気システムは元のウォーターロックシステムに戻しました。

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