225  チリの多島海を行く(2019/2/15)

チリValdivia 入港以来お世話になりっぱなしのRaulさんに探してもらい
Patagonia & Tierra Del Fuego Nautical Guide というイタリア人が書いたという本を手に入れてもらった
多島海を行くヨットのバイブルと言われる本で
2618センチ 厚みは5センチ近くある重たい本です
綺麗な写真や泊地の絵が満載で僕にも分かりやすい本です
この本を見て次の泊地の予定を立てNavionicsと言うデジタルチャートを主に使ってのクルーズでした
この本無しでは多島海のクルーズをこんな速度ではとてもできないでしょう

外洋でそれまで使っていたOpen CPNはCM-93というチャートの塊フォルダーが古くて主要航路ではないチリの多島海の辺りはいい加減です
それにValdivia 入港時に測地系のズレでGPS位置が数百メートル  ズレているという恐ろしい思いもしました
今度の航海も最初はOpen CPNをウインドーズパソコンで立ち上げ
予備に使い慣れていないNavionics を使うつもりでいました

だんだん慣れてくるとiPadで使う  Navionics ばかり使う様になりました
今では電気も節約しないといけないので立ち上げているのはiPadだけです
plan 2 nav というデジタルチャートも入れたのですが
こちらは多島海を行くのに大切な潮汐情報がほとんどないのでやめにしました

今では信頼して使っているNavionics ですが大きい誤りが僕が発見しただけでもう3つ有りました
一つはほんの5メートル横をかすめて通った小さい(直径2メートルくらい)洗岩が載っていませんでした
岩の頭から昆布の太い茎が白髪の様に生えていてその先に広い昆布が垂れ下がって居ました
今思い出してもゾッとします
もう一つは泊地入り口の岩です
これはデッドスローだったのと岩に生えている昆布が見えたので難を逃れる事ができました
そしてやはり泊地入港の時に測地系のズレが1箇所ありました
殆ど99%以上が合っていてほんの0、何パーセントかが違っているというのは恐ろしい事です
信頼しきった頃にポカッとやられるわけです
今からも気を引き締めて行きたいと思います

さて 瀬戸内海との大きな違いの最たるものは人が居ないという事でしょうか
綺麗な箱庭の様な泊地に入っても現地の人もいませんし他のヨットに会うことも殆どありません
一回だけチリのクルーズヨットに会い一晩同じ泊地で過ごしました
そこには3軒の家がありポンツーンがありました
牛やヤギやニワトリが飼われ長閑かな風景でした

もう一つの大きい違いはChiloe 島を過ぎたあたりから山がむきだしの岩になってきました
草木も有るには有るのですが土が無いので大きくなれません
大きくなると木は強風になぎ倒され  小さくて背の低い木しか生き残れないようです
木の枝を見るとどちらから強風が吹くのか解ります
木の幹全体が風になびいた様に生えています

それと僕たちの様なスピード航海では燃料が沢山必要です
出港前に多島海を北上してきたヨットのキャプテン達はこぞって長いフローティング舫と燃料予備タンクをたくさん持てと言いました
花丸は元々舫ロープ4本以外に50メートル18ミリのフローティングラインを4本積んでいました
それプラス100メートルのラインをMolly Mawk に貰っています
燃料タンクも5個45リットル分の予備タンクを貰いました
おまけに多島海を行く間だけと水タンク6リットル の空きボトル8本に軽油を入れて出航しました
それでも教えられた燃料が補給出来る港で2回  90リットルと130リットルの燃料を補給して走っています

花丸はヤンマー3GMという3気筒27馬力のエンジンを積んでおり2600回転が巡航回転数だそうです
船底塗料を塗り替えた直ぐ後なら8ノットを超えるスピードが出ます
今度の多島海航海では1800回転でずっと走りました
1時間に1、5リットルの燃料が必要で5ノットくらいで進みます
追い潮と追い風でできるだけ走って燃料を節約しました
あまり長く低速回転を続けるとエンジンのベンにカーボンが溜まり高速回転が出来なくなるので泊地に 入港前にはほんの3分ほど2600回転にして真っ黒のカーボン飛ばしをしました
大阪の上田さんに教わったやり方です
だからいつでもフル回転まで回転を上げる事が出来ます

次回も多島海について書きます



海の広場に戻る

homeに戻る