2000/10/31 外洋帆走中の珍経験ー1(月の虹)

 先日瀬戸内法律事務所の依頼で、昔の航海について講演依頼を受けて、久しぶりに私の「鴎盟」(おうめい)の太平洋一周航海の事を思い出しました。航海の中での経験を思い出すままに、こんな話は面白いだろうなと言うのを書いてみようと言う気になりましたので、時々は航海中の思い出を書きます。

 これは月の虹に関する面白い経験です。長距離航海者の友達も沢山居ますが見た人と見ていない人がいるようです。私は南太平洋で2回ほど見ました。そうとう条件が良かった所に行き会わせたようです。先日仕事をしながらラジオを聴いていて、ヨーロッパを旅行してきた人が話しているのを聞いて思い出しました。満月の夜で 私が居るところには雨が降っていなくて、満月も見えて尚かつ月の周りだけ雨があったのでしょう、月を中心として白い大きな輪がかかりました。ぞくっとするほど吃驚して、良く見ると濃い薄いがある白い虹でした。月でも虹は出来ると言うことを初めて知りました。幻想的で何とも素晴らしい光景でした。ラジオの人はこれで10分ばかり話しましたが、私には表現力がありませんので、ただ美しかったと言うのみです。殆どの航海中は太陽があるときだけ起きていて、太陽が沈むと眠ると言うことの原始生活の繰り返しでしたが、時々は良く晴れた満月の夜は水平線がはっきり見えて星の天測が出来るので、時には起き出して星測をしたものです。普通の虹なら、真ん丸に太陽の周りを3重に包む虹とかも見ました。これも素晴らしい光景でした。南太平洋の虹は空気が綺麗なせいかコントラストがはっきりしていて素晴らしいものでした。

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