231 スペインAlmerimar 1 (2019/08/04)
7月18日スペイン時間12:00 Almerimarマリーナに入港。
地中海入り口のジブラルタル海峡を抜けて2日目だった。
ジブラルタル海峡では日本では見たこともない様な超大型のジェット推進フェリーが爆音を響かせアフリカ方面へ走っていった。
車が乗り降りするタラップが船尾に2つ有るので片方が乗る車で片方が降りる車専用だろう。
その格好やペイントは正にアニメの世界から抜け出してきたような派手なもので双胴船だが横から見たのではそうは見えない格好の良い船だった。
大西洋を走っている時はずっと本船の事を警戒して一隻でも船を見ると和江さんも慌ててワッチオフの僕を起こしたものだが、
ジブラルタル海峡に近づくとだんだん船の数が多くなって周りに2から3隻の本船が見えているのが普通になった。
海峡を抜けて地中海に入った初日の夕方にはキリが出て霧笛が聞こえ昼間は小さいモーターボートやヨットも居たので不安になりレーダーを付けた。
最初は近くを見る0.5マイルレンジでレーダーに小さい点が沢山見えて居たが数時間後にはみんな居なくなってしまった。
小さい船は港に帰って行ったようだ。
レーダーのレンジを最大の16マイルにすると本船が何隻か居るのが解ったがそれらも真夜中には全く見えなくなり、
花丸の周りには何も無い事が解った。
Almerimarマリーナに入港すると林史彦(史さん)さんという日本人のマリーナ管理をしている人が出迎えてくれた。
史さんを紹介してくれたのは関口さん(ファーストマリンの社長さん)です。
僕達がカーボベルデからなかなか北上できず北フランスには直接行けないと解った時点で史さんの所へ と言うアドバイスをくれました。
入港前に管理棟のすぐ前の岸壁に船を着けるように言われていたが先に入ったヨットやモーターボートが着いていて花丸を着ける事が出来ない。
そんなとき事務所から出て 日本語で花丸が停泊する場所を史さんに案内されたのは非常に助かった。
ゆっくりと案内された場所に近づき史さんともう一人マリーナから手伝いに来てくれた人に船尾舫ラインを渡し
岸壁からのロープをたぐって前舫を拾い上げた。
入港と舫は簡単に終わった。
エクアドル以来ずっと船尾舫で駐めているので大分慣れてきていたがそれでも櫛形桟橋に泊めるよりは難しい。
ヨットは風がある時はマストに当たる風圧で船首が風下を向こうとする、
それに 後進はある程度のスピードがないと舵板が向いている方向には進まない。
花丸のように直進性がよく2本マストの船は後進は普通の船よりもずっと難しい。
その上に プロペラの回転方向が前進・後進で船尾をどちらに振るかを考えないといけない。
ヤンマーエンジンは後ろから見て右回転が(時計回り)前進で 前進の時は船尾を右に振ります。
反対に後進の時は船尾を左に振るのです。
フェザーリングプロペラにして後進が前進時と同じ様に良く効くようになったので助かります。
それら マストと風・船がどちらに動いているか・プロペラは左右どちら回転か と言う事が事が解っていない人が出入港をするととんでもない事になります。
バースへ出入りの時を見ていると船長の腕が解ります。
出入港時大声でクルーにああしろこうしろと命令している船長はダメな船長です。
車の運転とは違います。
車にたとえると どちらかというと後輪が自在に動くフォークリフトの運転に近いのが船の操船です。
日本人の史さんと言う人は実にSpainに溶け込んだ人で僕達から見るとほとんどスペイン人と変わりません。
最初は大使館員としてスペインに来られたそうです。
その後バブル期に日本の商社に移りAlmerimarで正にこの場所にあるマンションやホテルを建てる仕事をしたのだそうです。
今史さんが住んでいるマンションも自分が商社にいる時に建てたものだそうです。
現在はAlmerimarマリーナの仕事をしています。
仕事っぷりは大変手早くて楽しそうです。
何人か居る事務職員のボスです。
入って来る外国の船のお世話をする仕事で、彼は何カ国語も出来るし おまけに日本語まで出来るので地中海に入る日本の船は僕達のように大抵彼にお世話になるようです。
入港してからも史さんにはお世話になりっぱなしです。
山肌にある白い家の集落
に連れて行ってもらって涼しい風に吹かれたり、
事前にチケットを買っておいてもらって本物のフラメンコを見に
連れて行ってもらったり、(僕のフェイスブックにフラメンコの動画をアップしました)
買い物や、バル(バー)でタパス(ビールやワインに一杯ごとに付いてくる美味しいつまみを注文)をするのに何度も誘ってもらったり数えたらきりがないくらいお世話になりました。
未だ15日しか経っていないので今から又色々面白い事があるでしょう。
今はフランスのMidi運河行きの準備をしています。
花丸を上架してプロペラシャフトのベアリングを内外とも交換しました。
PSSシールのゴムも取り替えました。
Almerimar2 を出航までに書く事にします。