237 コロナウイルス-2 (2020/05/23)

 マリーナのWi-Fi電波はもの凄く弱い電波で繋がりが悪くイライラするのですが、
コロナウイルスの外出禁止でどこにも行く事が出来ず今まで以上にパソコンでニュースを見ました。

日本語しかわからないので日本のニュースだけなのですがそれでも4月の末くらいまでは世界中が緊張の中に有るという感じでした。

僕達は全くそんな事は感じないでただマリーナに閉じ込められていただけと言う事です。


 3月17日外出禁止令が出ているのを知らないでメンテナンスヤードまで2人で歩いて行った帰りパトカーに呼び止められました。
言葉はわかりませんが身振り手振りで散歩をしてはいけないと言われているのは解りました。

早速マリーナの史さんにLineで聞くと外出禁止令が出ているので今度捕まれば罰金でしょうねと言われたので外の散歩は中止です。

仕方無くその日以降 僕達が停泊している桟橋のゲートの中で散歩を始めました。
桟橋の一番先にある車がUターン出来る広さのところを3000歩 グルグル回るのが散歩になりました。


 3月22日には明日からトイレとシャワーを閉鎖する事になったと史さんからLineをもらいました。

それからは毎日ヤカンに一杯のお湯を沸かしてバケツに入れ  タオルを絞って身体を拭きました。
髪を洗うのは一日おきです。
2回目のシャンプーで泡が立つという感じでした。

それでも僕達が外洋に居る時と比べるとずっとマシな生活です。
好きなだけ水もつかえ、燃料も無くなることを気にしないで使えます。

その頃は天気も良くなくて寒く3月28日には一晩だけ湯たんぽを入れて寝ました。


 4月2日にアルメリマールに来て最初に契約したiPhoneのシムカードが期限切れで使えなくなりました。

直ぐに顔見知りになった電話屋さんに行ったのですが扉は開いていて人も中に居るのに入ってはいけないと言われ電話シムカードの延長を断念。

急遽 外出禁止令を無視してマリーナ事務所に史さんを訪ねマリーナのWi-Fiを契約して繋いでもらいました。
今から何ヶ月マリーナに閉じ込められるか解らないので一応3ヶ月の契約をしました。

それからは毎日のようにWi-Fiでニュースを見たりあちこちから情報を集めましたが、緊張感はあまりなかった。


 どこにも出かけられないで花丸に閉じ込められたので今までやりたかった修理箇所を書きだしました。

1つずつチェックボックスを頭に書いて箇条書きにし やり終わったらチェックを入れて修理を済ませていきます。

別に急ぐこともないのですがどんどん色々な部分の修理や片付けが終わっていきました。

生活をして居るので全て綺麗に片付いたとは言えませんが、もうこれ以上今のところやることはないと言う所まで出来ました。  


 4月7日には桟橋の散歩も禁止になり、もし歩きたければ朝暗い内か夜に歩いて欲しいとマリーナの人に言われました。

僕達は仕方無く朝早くに歩くことにしました。

僕達と同じ様に朝早く歩くことにした男性が居るのですが、その人はもの凄いスピードで息を切らせながら2時間近く歩いて居ます。
朝会うとお互いにおはようと英語で挨拶を交わします。

他の人達は夜暗くなってから歩いて居るのかもしれませんが、僕達は早く眠りに着くので知りません。


 4月14日スーパーマーケットに入る人数制限でパトカーが来て警察が見張る中2メートルの距離を開けて並びました。

1人ずつしかスーパーマーケットへ来てはいけないと言われ、僕一人で行くようになりました。

それでも薬局とコインランドリーは開いています。
コインランドリーが開いているのは助かりました。

他の多きいヨットの人達も洗濯機は積んでいないようで、みんなコインランドリーを利用していました。

今はスーパーの警備員になりましたが、3週間くらいはポリスが買い物客の行列を見張っており嫌な感じでした。


 4月27日マリーナへ5月分の延長滞在を申し込み支払いに行きました。

史さんが物心共に僕達の面倒を見てくれるので何の不自由も感じずただじっと閉じこもって居るという感じです。

5月3日初めて規制緩和で1キロ以内時間制限の散歩が出来る様になりました。

5月17日にはシャワー室が一人ずつしか入れないが開いているのを知り 思いきりシャワーを浴びました。
それからは毎日誰も来ない15:30くらいの暑い時にシャワーに行きます。

 第一段階の規制緩和で散歩も楽になりパトカーの警察官達もマスクをしなくなりました。

いよいよコロナウイルスによる外出禁止令も解除になる日が近いと思います。

僕達にとっては別に苦にはならない外出禁止令でした。
外洋に居ることを思えばワッチもしなくて良いし嵐が来ても安心して居れる。

新鮮な食料も手に入るし 水もクッキング燃料も使い放題こんなに楽な事はありませんでした。


 ひとつコロナの騒ぎで僕達にとって良かったことは、

スペインに来て3ヶ月の短期滞在期間が終わるまでコロナの規制が続いた場合スペイン滞在許可が自動延長となり、3ヶ月余分に滞在しても良いことになったと言う事です。

僕達がスペインに入ったのは3月4日なので その3ヶ月後6月3日を過ぎてコロナ規制が続くと僕達は自動的に9月3日までスペインに居て良いことになります。

史さんに聞く所に寄るとスペインでコロナの規制が解除されるのは6月10日近辺だそうです。

 3ヶ月のスペイン滞在延長が出来るなら1ヶ月くらいかけてゆっくり花丸の船底整備をしてから大西洋へ出てスペイン領カナリア諸島へ行くことも出来ます。


 スペインで多いときは毎日900人近くの人が亡くなったコロナウイルスの死者数もだんだん減ってきて、最近では50人前後になりました。

亡くなったり仕事が出来なかったりした人はお気の毒ですが僕達は近くに知人のコロナ死亡者が居た訳でもなく、ただただ船に閉じこもって居ただけです。

確かに言葉が通じないスペインで自由を奪われ面白くはありませんでしたが、何年か経てばこれもスペインでの面白い思い出のひとつとなるでしょう。

 かえって今は日本に居る人達の事が心配になりましす。
みんな元気にしているんだろうか、これを読んでメールが頂けたら幸いです。

info@ikegawa-yacht.com

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