2000/11/29 26 松山、岡山間廻航

 先週23日早朝に松山を出帆して、岡山の宇野港まで私のノラ21を回航しました。宇野の大前さんという新しいオーナーに私の船を引き渡す為です。大前さんと二人で朝03:00くらいに起きだし、準備をして出航したのは04:00でした。来島海峡の潮を気にしての出帆時刻でした。(瀬戸内海や重要な湾の潮は、私のホームページにリンクされている海上保安庁水路部という所から入って24時間の潮の流れを知る事が出来ます)月も無い真っ暗な中、勝手知ったる松山から来島まで満天の星の下弱い向い風を受けて機帆走で6ノットで快走しました。久々に見る綺麗な星達、昔この星達に頼って航海していた時を思い出しました。星ってあんなに沢山あったのだと改めて感激です。瀬戸内海では潮を読まない航海はヨットでは考えられません。03:00起きのおかげで、来島海峡の北の海峡を抜けた時もまだ追い潮でした。その頃には空も明けそめ満天の星達も居なくなり、コーヒーとドーナッツで朝食です。どちらが日頃の行いが良かったのかその後もあの毎日吹き荒れていた北東風は姿をひそめ、殆どアビームに近いそよ風でオートパイロットに舵を任せ、エンジンでとことこと香川県と愛媛県の県境にある粟島と言う昔海員学校があった島にたどり着きました。粟島海員学校跡には「ル、ポール粟島」と言うホテルがあり、海員学校前の桟橋は島外からの船に解放されていて夏には神戸、大阪からヨットが大挙して訪ねて来るそうです。私達以外にはもう1艇ヤマハ21がいました。しょっちゅう来ているようで、島の知り合いの所へ出かけて行きました。私達は夕食に料理の達人に教えてもらったタコ飯を焚いて、その夜は船に泊まりました。早く出航して、早く入港したので何もいう事のない一日でした。



 翌朝はこれも潮の関係で08:00出港で宇野港に向かいました。二日目もまたもや良い天気で瀬戸大橋の下も追い潮で難無く通り過ぎ、無事に宇野港に昼過ぎにはたどり着きました。途中瀬戸内海には不似合いな観光旅客船に会いましたが、あんな大きな船に乗って世界中を回っている人もいるのですね。マンガの世界(宇宙戦士ガンダム)からそのまま抜け出して来た様な奇抜なデザインの船で、昔の優雅な旅客船とは程遠い世界の客船の様でした。どうして海に出ていて船内のプールで泳がないといけないのか?私には理解出来ない世界です。まあヨットに乗れないで船で世界旅行がしたい人には仕方の無い事かも知れません。



 翌日、大前さんがセットしてくれた宇野港の前の直島と言う所にある「ベネッセハウス」と言う所は、ほー日本にもこんなにすごい所が有るんだなーと感心出来る所でした。世界7大名所の一つだそうで、日本でよりも海外で知られていて、観光客の半数は海外の人達だそうです。他の6ケ所が有名な所ばかりなので本当かなあと思っていたのですが、行ってみて吃驚。デザイナーと称する人たちの作品群も、施設そのものも日本の他の観光施設とはひと味違った物でした。それに何と言っても瀬戸内の多島海の美しさは毎日見ている私達は感じないかも知れませんが、日本のコートダジュール等と言わないで、瀬戸内海として世界にアピール出来る物だと改めて思いました。他人の庭が綺麗に見えると言いますが、瀬戸内海は風さえ吹けばヨットにとって最高に良い海です。皆さん瀬戸内海に遊びに来て下さい。

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