2001/2/20 宇和島水産練習船と原潜

 宇和島水産高校は、私の長男真澄人が卒業した学校です。

 誤解を招くことを恐れずに言わせてもらいますと、もう遠洋マグロの延縄漁を習うための練習船は必要ないと思います。練習船は15〜6億円するそうですが今から衰退するのは解っているマグロの延縄漁です。もっとましな船員養成用の帆船でも作った方がどのくらい生徒が集まることでしょう。


 愛媛県はこりもしないで又同じ練習船を作ると言っています。こんな事件が起きた後誰が乗りたいと思うでしょう。食物連鎖の頂点に立つ大きな魚は地球全体の汚れを集めて持っているのです。だんだんその事が解ってきています。3K以上に「帰れない」と言うKまで付く遠洋漁業に今の若者が従事すると思いますか?しかも不漁続きでお金にもならないのです。

 結論を先に言いましたが、あの事故は地球警察を自認するアメリカの軍隊の横暴に起因します。二次元の海面しか移動できない船に向かって、三次元移動が出来る潜水艦がろくに確かめもしないで浮上したのです。逃げようがないというのが確実なところです。


 一方的に損害を被りましたが、その後処理たるや日本がアメリカの属国であることをこれほど見事に表しているやり方はありません。国がやっていること県がやっていること市がやっていることみんなお願いなのです。被害者がお願いしてどうするのです。あらゆる手を尽くして保証させ、二度とこんな事が起こらないようにするのが本当でしょう。練習船がそこにいるのは許されることですが、原潜は存在自体が許されない。それなのに大きな顔で危険を省みないで世界の海を走っているのです。たった一艇の原潜が地球を滅ぼすような武器を持っているにもかかわらず、海面の船を見落としたというようなことがあって良い物でしょうか?誰がどう考えてもおかしな話です。その内 核弾頭スイッチを間違えて押す輩が現れないと誰が言えるでしょう。

 聞く所によると、10年くらい前にもやはり愛媛県の船がアメリカの潜水艦に衝突当て逃げされたそうです。その時も全面的に向こうが非を認めて謝罪保証をする約束をしたそうですが、何もされなかったと言うことです。今のところ愛媛県の船ばかりですが、これからもこの手の事故は起こりそうです。ヨットだったら差詰め死人に口無しだったでしょうね。

 日本のマスコミは本当に弱い市民の味方なのでしょうか?民間人が乗っていて艘舵席に座っていた、帰ってきた原潜を下りる民間人の写真をアップにしてこの人達を特定できる人は申し出てくれとまで日本のマスコミはやらないのです。お涙頂戴の家族の哀れだけが新聞の一面を飾ります。きっと写された家族は嫌だったでしょう。そんなことより根本的なところに食い込んで生産性のない原子力潜水艦などいらないとアメリカの市民に訴える、アメリカのマスコミを操縦して市民の声を盛り上げる様な動きは出来ない物なのでしょうか。


 勿論軍需産業と政治が結託して原潜という危ないおもちゃをアメリカは沢山持っていますが、一般の納税者はそんな物を作るために税金を払っているのではないのです。その納税者が国家に与えたおもちゃに日本の片田舎の小さな練習船の9人の人たちは殺害されたのです。


 近道としてはアメリカの一般市民感情に訴える。もっと根本から世界の流れとして、そんな危険なおもちゃは持つなと言うところまで持っていくのがマスコミの使命だと思うのです。

 私は宇和島水産高校が練習帆船を持てばいいのになあと考えるわけです。何もかも短小軽薄となっている世の中で帆船にとっての地球はまだまだ大きい、海から昇る朝日や夕日を見て戦争のための潜水艦などいらないと言う気持ちをしっかり養って欲しいと思います。

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