打瀬船(2001/7/30)


広島県福山市で復元された打瀬船に乗る機会に恵まれました。素晴らしく素直な船でした。
昔の漁師は凄かったのだなあとつくづく思いました。船頭の言葉で面白いと思ったことを二つ。
一つは、うたせはすぐにひっくり返る。
走っていなくて風を受ければ、
と言う話です。
まるで自転車みたいですね。
もう一つは、船をひっくり返して死んだ人より、
漁に夢中で、
ブームパンチ(セールの下辺についている木の棒)を頭に食らって死んだ人の方が、
格段に多いと言うことでした。それに、打瀬の快適な帆走風速は12〜13メートルだというのです。
このあたりのヨットはそんなに白波がたつほど吹いたら、
はなから出航しないと思います。

打瀬船全景、バウスプリットは帆走用ではなくて、真横に船を流しながら網を引くときのロープの固定に使う為ののものである。

50feetを越えるこの船に、乗っているのは2GMのヤンマーディーゼルエンジンでした。

何馬力かというと14馬力です。

普通は30feetクラスのヨットに乗っているものです。

こんな小さなエンジンでスピードは、4ノットくらいは出ていました。

船内に積み込んだバラスト石。

あちこちにこんなのを積んで、船底を重くしてバラストキールがないのを補っていました。

中央にあるのが、ラダーです。跳ね上げ式で浅い所まで行けるようになっています。

右にある(船体左後)箱のようなものは、トイレです。ちゃんと陶器の便座が付いていました。

打瀬船乗船体験者たちを乗せて、出航した所です。みんな面白がってすぐにハリヤードロープを引っ張ってセールをあげるのを手伝ってくれました。

船首波切り。

素晴らしい走りでした。

風力3くらいの微風が続きましたが、素晴らしい走りを見ることが出来ました。

メインセールです。ジャンクでもない、これは何リグと言うのでしょう。

1/4テークルになっていて、引けども引けどもなかなか上がらないと言う感じでしたが、それでも一人でも充分セールをあげることの出来る軽さでした。

ミズンセール

ミズンとメインのブームが左右反対に入っていました。マストの右に束ねて下ろすのが、ミズンセールで。左側に束ねて下ろすのが、メインセールでした。

メインセールのブーム先端、タック部分です。

こんなごつい仕掛けを、よく少人数で操ったものです。

普通は飯炊きの少年を含め3人で乗っていたそうです。今のヨット乗りとは比べものにならない凄腕のセーラーばかりだったのでしょう。

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