以前から時々考えていたことですが、ヨット作りのアマとプロに関して考えを少しまとめてみました。
今度アマチュアでは最高峰と思われるセーリンクカナディアンカヌーを、
桑原さんという愛媛の方が作りました。
実質3年、休んでいた間も入れると7年かかったそうです。
私が作ったセーリングカヌーと並べて置いてどちらが私が作った物かと言われたら、
ほとんどの人は解らないのではないでしょうか?
桑原さん曰く、お金ではこんなのは作れない。
そうなのです。
自分のために、
金銭 労力 を度外視して初めてそこまでできる作品なのです。
もう一つ作りますか?
と言う野暮な質問をしました。
二度と作らない、作れないそうです。
私はプロだから作らないといけない。
作るのが好きだからプロになったのです。
私の全てがヨット作りなのです。
寝ても覚めてもと言いますが、
ヨットを作り始めてこの方、何もかもヨットでした。
ここまではやる必要があるという、
ヨットに必要な限界を知っていますし、
不必要なことには力を入れないと言うことも心得ています。
独学でヨット作りを習ったのですか?
と言うような質問をする人が居ますが、
ヨット作りなんて学問ではない、
誰かが教えてくれる物ではありません。
プロだから自分が工夫して
より早く、より簡単に、より美しく、より安く、より良い物を
と言うのを求めるのは普通です。
さて誰のために、何のために作るのか? と言うのを、
小さな鳥のブローチ(ラブバード)(私のホームページにリンクしています)を作る帯広の友人 田中輝顕 さんは、
「仮想友人のため」に作ると言い、
私は、私のために作ると言います。
私のヨット作りは考えてみると全て私の船のためだったのです。
昔は、最高峰の全ての物作りは 天皇の為の物を作るために居たのだそうです。
実にばかげていますが本当のことです。
未だにその亡霊を引きずっている物作りの世界もあります。
芸術の世界にさえそれはあるのです。
天皇がヨットをやらなくて良かった、
私は物作りに関してそんなことは考えたこともなかったのですが、
そういえば最初からヨット作りは自分のためだったのだと、
あらためて確認しました。
さあ一応今回の一仕事も終わったし、
自分の船を少し進めようかと思っています。