2001/12/18 民主主義(船頭多くして船山に登る)

 船長は独裁者でなければなりません。

 しかし、私たちは小学校から自由に思ったことを発言して、
その発言は平等に扱われなければならないとずっと習ってきました。
それが民主主義だと思い、
人の言うことも尊重する態度を唯一民主主義だと考えてきた覚えがあります。

 ところが船ではそんな小さな場面だけの民主主義は通用しません。
何故かというと船の運航は目的の執行だからです。
しかも、刻々と変わる現実に対処するには、
刻々と変わる指示命令系統の発令が必要です。
それを間髪を入れず執行するチームワークが必要です。
船長の言うことを聞かないクルーには鞭を使ってもピストルを向けても言うことを聞かせる必要があります。

 2000年の帆船の歴史は、
民主主義の国においても、
社会主義の国においても、
共産主義の国においても、
船長に独裁権与えています。

 わいわいがやがやと安全な港のなかで酒を飲みふざけ合っていた仲間が、
いきなり海にでたら、
船長とクルー(船員)という役目に分かれて、
船長独裁で、
海に向かわないと生きては帰れないと言うことを、
肝に銘じておかねばなりません。

 船に乗るには頭の切り替えが必要なのです。
私は船長を長くやりましたが、
クルーをやらせても上手です。

 チームワークが下手な、
陸でのわいわいがやがや大好き人間には単独行以外のヨットは向かないのです。
船長もクルーもきちんとしたチームワークを身につけるか、
単独行を通すか、
それが現代のヨットには求められています。
くれぐれも船頭多くして船山に登ると言うようなことにならないように、
日頃から民主主義できちんと話し合っておきましょう。
出航したらクルーに発言権はない(気が付いたことを報告する義務だけです)。
船に乗ったら船長独裁です。
船長もクルーもそのことを頭にたたき込んでおきましょう。

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