78 退職後のヨット (2003/08/26)  

日本中を見渡すと退職したらヨットであちこち行こうとか、
ヨットを初めて 日本一周をしたいとか、
夢見るおじさん達がいかに多い事か。

それでもやっぱり働く事が善である日本人、
人が決めた退職年齢まではしっかり働く人が普通である。

働いて働いて働き疲れてやっと無罪放免になっても、
ヨットの技術がないので、

マストが有る スピードの遅い汽船という風な旅が多い。

一日8時間7ノットから8ノットを船のスピードとして計算し、
綿密な航海計画を立てるようだ。

正にエンジンで 潮も風も無視して押しまくるのだから何もなければ計画通りに事は進む。

船のサイズも金に飽かせて本当に吹かれたら一人ではどうする事も出来ない
35フィートを越えるような船を選ぶ。

だから当然夕方までには予定の港に入って食堂と風呂を探しホテルに泊まると言う事になる。

これをマイナスのイメージでとらえてはいけない。
それさえも出来ない疲れ切った退職おじさんはごまんと居る。


丁度アメリカの30年前を追っかけている。

南太平洋に40フィートを越えるダブルエンダーのカタツムリのような走らないヨットで、
リタイヤ組の沢山のペアーがクルージングに来ていた。

理想とかけ離れ クルーを雇はなければどうにもならないクルージングに
嫌気がさして買い手もない南の島で売りにでている船を何艇も見た。


日本から出なければ燃料も数日分は充分持つサイズの燃料タンクを持っている
これらの船に全く問題はない。

後はエンジンを止めたときのあの静かなセーリングの波切り音を知っているか。
港に入港中エンジンを切ってエアコンを回さないで居れるか。

その当たりが本当にヨットでクルージングしているか、
それとも汽船で次々港を替えているだけなのか、
見方の分かれるところである。

たいがいの港の漁師さん達は同じ海に生きる者としてヨットの航海者に親切にしてくれる。


せっかく おじさんが最後の自由を勝ちとるのである。

自分の技量にあった船で、
本当のセーリングを楽しんでは と言いたい。

岸壁に当たりそうな船を押しとどめられるのは総重量4トンまでの船ですよ。

ヨットの主機はセールです。

風が吹いて台風の来ない秋の終わりがクルージングに最良の時期です。
それに海の水もまだまだ暖かです。

ヨットのシーズンは日本では今からなのです。

私も船が出来たらシェークダウンに日本一周に出帆するつもりです。

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