81 ヨットに住む(2003/10/31) 

昔 半年ほどですがヨットからヨット工場に通ったことがあります。

食事はちゃんと寮でしていたので ヨットに眠ったと言うだけでした。

28年前の冬 大雪の時もヨットで眠り、
朝起きると自分の寝ていたクォーターバースの上の雪だけが熱で溶けて凹んでいたのを思い出します。
FRPの船は断熱効果がないので凄く寒かったのを今でも覚えています。

デッキの他の部分には20センチくらいも雪が積もっていました。

その後の航海では1年10ヶ月これは本当にヨットに住みつきました。
しかし何時も仮の住まいのような気がしていました。

住み心地など二の次で とにかく真っ青な海を快走しては、
次の陸地を見つけその当たりを探検すると言う航海でした。

若かったせいもあるでしょうが、
潮を被ろうが 日に焼けようが 何とかなっていました。

朝夕の天測と 位置の線 記入で自分の正確な位置を知ることが楽しみで、
ヨットに住んでまともな生活をしていたとは思えません。

熱帯地方では何も着ていなかったし、
食事も有るものですませ ほとんど料理らしい料理はしませんでした。
質よりも量で満足するような食事の仕方でした。

勿論FRPの塊であるヨットを住居として大切に思った覚えもありません。

衣食住がそんなですからヨットに住んだという気がしないのです。

しかし今後の航海はまともにヨットに住むことを考えています。
ヨットを住居として、
衣食住全てにおいて満足のいく生活をしたいと思っています。

人によって航海のありようによって装備などは違ってくるでしょうが、
私の場合は全てゼロからの出発、
自分で自分が航海するための船を造るのですから、
過不足のない自分にぴったりの住むためのヨットを作っているつもりです。

陸での生活に比べると多くの制約はありますが、
物も情報もあふれすぎた陸の生活に比べ シンプルで本物の生き方が出来るのではないかと期待しています。

来年春に暖かくなったら直ぐマストの接着にかかり、
梅雨前には進水させます。

その後しばらくはヨットに住んで住み心地を確かめてみようと思っています。
不要な物は取り除き、
必要な物は取り入れ 制作し シェークダウンの始まりです。

先ず日本一周そして世界に向けて航海は始まるでしょう。

私が中学二年生から暖め始めた夢です。

若造の時の航海で本物の船を手に入れるには自分で造るしかないことを思い知り、
努力嫌いの私がずっと長年自分の船を造る為に腕を磨いて努力したのです。

最後に ワッハッハ と笑えるような 航海をしたいと思います。

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