96 ヨットを速く走らせる(2004/10/19)

レーサーではないがその船が持つそのときの状況での最高速度で走らせたいといつも思っている。

だから一人ですべてを完全に掌握できる自分の体力と技能に似合った船を選んだつもりだ。

昨日は宇和島から「Duo Xoress」という船の徳田さんが工房を訪ねてきた。http://www.geocities.co.jp/Athlete-Olympia/6226/

彼はどちらかというとレースが好きで速く走らせる方法についてはめっぽう詳しい。


曰く

フォールディングプロペラにしたら帆走性能は10%は上がるでしょうね。
3翼ソリッドプロペラだとバランスがとれて機走性能は圧倒的に良くなるが、
ヨットは多くの時間を帆走しているのでしょう。
だったらレーサーでなくともフォールディングやフェザーリングのプロペラをつけることをおすすめします。

私もその通りだと思います。
ノラ21に乗っていたときは一年中毎週のように出廷して年間ガソリン消費は、
10リットルとか極端に少なかった。
出入港のほんの10分弱しかエンジンは使わなかった。

おそらく「花丸」もできるだけエンジンは使わない航海をするだろう

それなら空気抵抗の800倍もある水中抵抗の中でプロペラを 広げたまま帆走するのはばかげている。
「花丸」の 2翼プロペラの面積は310平方センチメートル、
空気中の抵抗に換算するとコンクリートパネル(1.62平方メートル)を15枚デッキ上に広げて帆走している計算になる。

それを見たら誰でもばかげていると思うだろうが水中で見えないから感じないからソリッドプロペラですませているという面がある。

「花丸」が浮かんで第一の改良点はフォールディングプロペラにすること。
でも値段が高いのでお金をしっかり儲ける必要がある。


曰く

エンジンシャフトはオフセンターが望ましい。
センターから数度シャフトを振るだけで、
機走中のティラーはフリーになりずいぶん抵抗が減るはずです。

機走も帆走もそうですがなるべく舵を切らない安定した状態を作り出すのが速く走る秘訣です。

私もそれは経験している
サバニ船型の直進性の良い船型を選んだのは舵を切らないで船の持つ型で直進させるという楽な航海をねらったからです。

機走ではどんな船でも当て舵は致し方ないかと思っていたが、
船外機で機走するときのことを考えると解るが、
ティラーがなるべくフリーになるように船外機の頭を真ん中からどちらかに少し振るようにする。

だから徳田さんの言うエンジンシャフトオフセット設置は正しい考えだろうと思う。

そうすることのもう一つの利点はエンジンを移動させなくてもプロペラシャフトが後ろ側に抜けるというメンテナンス上の御利益もある。

もう少し早くそのことを深く考える機会に恵まれていたら私は「花丸」のプロペラシャフトをオフセンターにしただろう。


曰く

マストのチューニングにはほぼ同型艇の伴走が必要です。

レーキさせたりベンドさせたりいろいろやってみて、
同じくらいの性能の船に後ろから見てもらうとどこが悪いのかよく見えるそうです。

そして左右のタックアングルは同じになるように調整しないといけないそうです。
それもよく調整された同じくらいの性能の船に伴走してもらうとどうなっているのかよくわかると言うことです。

私はそれはやったことがありません。

近くにヨットがいても相手が近づかない限りこちらから近づいていって競争するというようなことを仕掛けたことはありません。

でもそれでは独りよがりで早かったとか遅かったとか言っているだけです。
同じ状況を帆走することは一人では二度とできないのだから、
やはり相手になってくれるヨットがあって初めて その状況での最高のスピードを追求できるという徳田さんの意見は正しいだろうと思います。

 

 

 

早く船を浮かべてチューニングをすませ、
あちこちセーリングの旅をしてみたいと思います。

海の広場に戻る

homeに戻る