反転正立(2003/03/01)
2003/03/31


一番大きなコクピットから船内入り口のバルクヘッドを
上下にスカーフつなぎしているところ
スカーフつなぎとは厚味の12倍に接着面を斜めに削り
接着強度を元の材料強度ほどに出すやり方だ

エポキシスカーフをすると長い棒状の物では
スカーフ部分が強くなり接着面からは折れない

合板のスカーフは面がそろわないおそれがあり
やっかいだ

今の気温では48時間重しをかけたまま放っておくことになる
重しには樹脂入りの一斗缶を使っている


2003/03/30


船内バルクヘッド(仕切り板)が大分立ち並んだ
左舷にはギャレー(炊事場)
右舷にはトイレとシャワールームが来る

その前からフォクスル(一番最先端の部屋)まではメインサロン

フォクスルは物入れ兼一人用のバース(ベット)

後ろには両舷コクピットの下にクォーターバースが 有る
オーソドックスな配置となっている

スターンの物入れは500角のハッチが付き

そのハッチはクォーターバースへの風の取り入れ口もかねる

色々想像していると手が止まる
楽しんでいないで仕事を進めることにする


2003/03/29


エンジンベットからプロペラシャフトが出ていく
内管導材の補強のあたりを接着寸前まで仕上げる

一昨日雨が降ったので昨日は接着準備のみをする

今日は雨が降らなければたくさんあるデッキ下の補強板
フォクスルのバルクヘッド
そして内管導材の補強と
沢山の接着仕事がある

早くエンジンを積み込みたいが
エンジンベット回りを塗りまで仕上げてからと思って居るので
まだ少し時間がかかりそうだ

 


2003/03/28


一日中ハンマーをふるって
デッキ下補強材をみんなはめ込んだ

午後から雨が降り
接着は明後日以降になった

左手には右手が犯人の傷が沢山出来た

やっぱり仕事は習うより慣れよで
誰でも頭では解っている
何時も確実にノミの頭にハンマーを振り下ろすのは
至難の業だ

よくノミを使っていたときは
全くノミの頭など見ないでも
確実にハンマーはノミの頭に当たっていたのに


2003/03/27


4’×8’の作業台の上で
フォクスルへのバルクヘッドと
その通路のドア表面板をエポキシ接着したところ

ドアはトイレ用とフォクスルバルクヘッド用の2枚ある
トイレ用のドアは何年も前に既に完成済み

昨日は特に天気が良かったので
作りためていた物を
一気に接着する日とした

デッキ下部品取り付けのための補強板を
フレームを切りかいで取り付ける為
ノミを使う作業もしたが
これがずいぶん長くやっていない仕事なので
何度も左手親指や人差し指をハンマーで叩いた

ノミ使いは家大工の方がずっと上手だ


2003/03/26

 


2003/03/25


今入っているバルクヘッドは
既にエポキシで実際の接着をしたものだ

バルクヘッドを立てて

デッキ下補強板を入れて

全体にフィレットを付け

早く借りビームを取り外したい物だ

ずっと中腰での足場が悪い中の仕事は
腰にこたえる

今月中にエンジン積み込み下準備を終わらせよう


2003/03/24


一日がかりで両方の管導材を貫く穴を開けた

1200ミリくらいの距離だが
まっすぐな穴を開けるには一苦労する

直径55ミリの穴はキリが止まれば
ドリルの方を回転させようとして
手首に衝撃が走る

思い切り大きなドリルを固定するので
手は豆だらけ
手首はねんざ状態で
疲れ果てた一日だった

次からは最初から内外の管導材には
正規のサイズの 穴を開けておくことにした

それならあとキール部分を貫通させるだけとなる

 


2003/03/23


外部管導材 
今糸を止める畳み針の立っているあたりにプロペラが来る

取り付ける前に船内の内管導材センター穴から糸を引き
その先を固定して置いて
その糸に合わせて外部管導材を固定した

これで両方の管導材に開いた6ミリの穴がキールを貫通して
一直線に結ばれたことになる

この穴に沿わせて4段階に
少しずつ大きな穴にしていく

切りの先が凸になった特製キリを使い
前の穴をなぞってスターンチューブが通る穴を開ける

色々なやり方があるらしいがこれは私の友人が発明した
素晴らしいやり方だ


2003/03/22


エンジンベットの振動を分散するために
両サイドをつなぎ
フレームに沿わせて補強を入れた

これでエンジンの振動は
エンジンの周りのキールやフレーム 全体で
吸収してくれることになる

なぜか横山さんの図面には
その辺の工作については乗っていない

この船のキール両側と
フレーム前後には
全部フィレットを入れるので
相当に丈夫なシェル構造になるだろう

今月の日替わり写真

売りたし「萬丸」


2003/03/21


ヤンマー3GMFと言うヨット用
間接清水冷却の3気筒エンジン

力強そうだが思ったよりずっと小さいと感じる
ヨットには小さい方がよい

3気筒を選んだのは爆発点がずれるので
圧倒的にノイズが少なくなるからだ

エンジンベットも図面よりも大分横方向に振動が逃げるように
補強とフィレット付けをするつもりである

軸径装置

エンジンから出た力をプロペラに伝えるまでに必要な装置
一番手前下に見えるのはパックレスシーリングシステム

今までのグランドパッキン方式と違い
一滴も水が入らないと言うシャフトのシールド方式である

予備としてグランドパッキン方式も作ってもらった
一滴も水が入らないが不在の時にシールドゴムが切れたら
沈没は免れないだろう


2003/03/20


今日はいよいよエンジンが来る
エンジンベットを固定しないといけない

外管導材にエポキシでガラスマットを積層し
エンジンベットの高さを調節した

これで実際にエンジンが来たら
採寸して合っておればエンジンベットを固定する

長くやっていなかった接着の始まりである
おそらくこの気温で接着したら
2〜3日は動かさないで放っておくことになるだろう

仕事は次々とたっぷりあるので
それも可能だ


2003/03/19

仮止めのバルクヘッドを取り外して
上下方向のスカーフ繋ぎをする

スカーフ繋ぎとは接着部分を両方斜めに切り
その斜め部分同士を張り合わせる
接着した痕が殆ど残らない繋ぎ方である
普通つなぐ物の厚味の12倍の斜め部分を作って繋ぐ

繋いでいない部分と強度は変わらなくなる

合板が1200×2400と大きいので
先ずそれをおける台を作ってから
一枚ずつ外に出した


2003/03/18

仮にではあるが船内バルクヘッド(仕切り板)を入れる
耐水合板の木目が短い方向なので
スカーフ継ぎで上下方向に伸ばさねばならない

もう一度持ち出してスカーフしてから持ち込んで接着する

とにかく早くデッキを張って
真ん中の仮ビームを取り除かないと頭を上げることが出来ない
無理な姿勢は疲れるので
早くデッキを張りたいと思う

その前にエンジンを据える必要がある


2003/03/17

ステムヘッド(船首)部分は工房の開き戸から
60センチくらいの所にある

そのつもりであったが私の工房はこの船のために建てた物だ
船がぴったりと工房内に収まっている

昨日は全部の仕切り板(バルクヘッド)を切り出して
仮止めして見た

おおよその船内は配置は頭に入っていたと思うが
仕切ってみると狭い物だと感じる

プロペラシャフト用の船内管導材を貫き
キール材を通って船内に抜けるシャフト穴を開けた
今は6ミリ穴だが
それをなぞって55ミリ直径の穴にする

昨日は一日雨で日曜日だというので訪問者もあり
思うようには仕事ははかどらなかった


2003/03/16

メインマストが立つ部分のマストステップと
バルクヘッドを借り止めしたところ

合板は日本製を使っているが
合板表面の繊維方向が短い手方向なので
スカーフして上下方向に接がねばならない

今日は管導材に穴を開けて
エンジンベットも所定の位置に固定しようと考える

エンジンは20日に入荷の予定だ
注文生産らしく注文してから3ヶ月も待つことになった

床材を先に張って足場を確保しようと考えている


2003/03/15

ドッグハウスのコーミングを切りそろえているところ

船内の仕事は
船が広がらないようにデッキを張るまで
借りビームが入っているので

頭を上げることが出来ない いつも中腰
おまけに足下が悪い
だから腰が据わらず何をやってもすぐに疲れる

昨日はフィレット付けは結局止めて
船外のドッグハウスコーミングを切りそろえたり
コクピットベンチのサイズをそろえたりした

それに肝心の船内管導材をエポキシ接着した


2003/03/14

エアーホースと電線と
工業用集塵機の蛇腹ホースを船内に入れ
フレームとシアーとキールの角にR付けをした

けっこう木くずが舞い目にゴミが入って
辛い一日だった

二階の天井があまりに近いので
H鋼に頭をぶつけそうだ

船台のキャスターを外して
船の位置を下げ
もう少し出入りも楽にしようと思う

今日は船内ウォーターラインを引いて
フレームとハルの角にフィレットを付けようと思う


2003/03/13

全部のフレームの角にRを付けた

トリマーに面取りビットを取り付け面を粗取り
その後一番小さいエアーサンダーに40番の
ペーパーを付けて細かいところを仕上げた

側面に向かうとつま先が上がり
仕事をするには苦しい体制になる

一日中おかしな格好で仕事をしたので
足の筋肉が張り引きつりそうだ

今度からっと晴れたら写真中央少し下にある
船内管導材をキールにエポキシ接着するつもりです


2003/03/12

鉛とバラスト木型を持って
広島の高田郡吉田町という島根県との境まで
友人に借りた2トンダンプで走った

慣れないことなので非常に疲れた

平賀金属という大きな会社で
鋳物部門の工場も綺麗でしっかりした仕事をしていた
これなら大丈夫だろうと安心した

鉛の鋳込みは猛毒が出るので
労働基準監督署がうるさいのだそうだ
活性炭入りマスクをしてやるそうだ

今日は写真のフレームの角にRを付けて
塗りが乗りやすい様にします
中腰で非常に疲れる仕事です


2003/03/10

バラスト木型の後端部補修

厚味が4ミリしかないので
鋳込みの時に後端部ばかりが先に冷えて固まるおそれがあり
両方から木を貼り付けて18ミリくらいに広がらせた

これで後端部のみ厚味の違うバラストが出来上がる

鉛なので出来上がってから木工用のプレーナーで
削ることが出来るのだ

今日は昼から工房の地面から掘りだした鉛の固まりと
このバラストの型を持って
広島の鋳物工場に行くことにした

帰ってくるのは明日の昼過ぎの予定である


2003/03/09

エンジン据え付け準備

中央上に見える合板の箱みたいな物が
エンジンのサイズと取り付けの足ボルト位置を表す

その下にある色々な木を接着したのがエンジンベット

左奥のプロペラシャフト管導材から
エンジンベットの傾きと高さを出しているところ

この後船内管導材をエポキシ接着して
センターの穴6ミリを外キールまで貫通させて
そこに外部管導材を取り付け

シャフト芯に糸を張ってから
エンジンベットの高さと傾きを固定して

エンジン据え付けの下準備は完了する

エンジン関係スケグ関係バラスト関係が終わったら
仕切り板(バルクヘッド)を立てる
そしてデッキ張りの行程に移る

まだまだ先が長い


2003/03/08

鉛バラストを作るための木型を使って
バラスト取り付けの予行練習をする

来週にはこの木型と鉛を持って広島の
鋳物工場へ行かねばならない

鉛バラストが出来上がってきた時点で
船を吊り上げておいて
船台だけを工房の外に押し出し

写真の船台に組んだ木の枠の中にバラストを固定して
船台を船の下に引き込んで
ボルトナットで鉛を船体に取り付ける

この重さの鉛バラストを取り付けるのは初めてだ

明日は出張なので今明日の日替わり写真をアップする


2003/03/07

プロペラシャフトが貫通する船内管導材を
取り付けにかかる

昨日は雨なのでとりあえず 合わせてみる
次のエンジンベットとの取り合わせで
結構時間を浪費した

おかしい合わないと考え出すと
あちらもこちらもおかしいと思えだす
最初の角度のちょっとした見誤りだった

だからエンジン据え付けには
船大工はシャフト中央に糸を張ってやるのだ

先ずは管導材を固定してシャフト穴を開けてから
プロペラからエンジンまでの真っ直ぐの糸を張って
後の仕事をすることにしよう
後の仕事とは外部管導材の固定とエンジンベットの固定である

久々の頭を使う木工は気持ちがよい


2003/03/06

船内にあふれ出ていたエポキシをサンディング

一日中サンディングして
やっと綺麗な面になった

その後のほこりを大型集塵機で吸い取っているところ

工房中が実に埃っぽい
集塵袋が付いて殆どのサンディングかすを吸い取る
エアーサンダーを使ってもこうだから
普通の電動サンダーだとやる気がしないに違いない

私の写真アングルは説明調なのに比べ
三男 真君の 写真のアングルは実におもしろい

 


2003/03/05

シャープな船首だ

ある人が日本刀の先にたとえたが
正に逆反りもあり日本刀だ

ずいぶん細身に見えるが
これはカメラに取り付けたワイドコンバーターのせいだ

全長9.6メートル
全幅3.3メートル
昔の船に比べるとずっと幅がある

昨日は船の周りにぐるっと足場をもうけ
船内に降りるための内階段を作り

それから船内の垂れ出したエポキシをサンディングした
凹面のサンディングは非常に難しい

おまけに内側から側壁に向かうと
つま先が上がった足場になり
足の筋肉が非常に疲れる

 


2003/03/04



船台を持ち上げておいて
工房の床を掘り返した

10年前に工房を増築したときに
埋めた自分の船用のバラスト鉛を取り出すためだ

埋めたときはまだ子供達が小学生だった
父さんがここに金塊を埋めるから
何かあったら掘り出すんだよと子供達に言っていた

金塊のはずが掘り出してみると鉛に化けていた

大方肩くらいまでの深さまで埋まっていた
知り合いが鋳込みに失敗したいろんな形の鉛だ

重いのはとても一人で持ち上げることは出来ない

船台に角材を固定してヒッパラーで引き上げた
1トン220キロのバラスト重量の
2割り増しくらいの鉛は掘り出すのに骨が折れた


 


2003/03/03

反転正立の様子
1トンチェーンブロック4個使用
一人で楽々反転させた

山梨から八木さんが写真を写しに来てくれた

昼からは隅田さんが手伝ってくれる










 


2003/03/02

船尾部分に付くスケグとラダーとティラーを
取り付け金具を合わせながら組み立ててみた

面倒だがスケグラダーはガラスで補強することにした
船のサイズに比べてあまりに薄い

普通は設計通りに作るのを信条としている
しかしこれらは横方向にねじれるおそれがあるにしては
あまりに薄すぎる
人間の力で簡単に曲げることが出来るようではいけない

ティラーはチークとスプルースの
バームクーヘンのような 綺麗な積層で作ってあった
ずいぶん昔仕事がないときに 作った物で完全に忘れていた
このティラーだけはニス塗りにしようかと考えている


2003/03/01

バラストと船体が合わさる部分
普通は外キールの一番外の材は堅木の
カシやケヤキやサクラなどを使うが

マホガニーでやってしまったので
ガラスマットを6層低粘度エポキシで積層することにした

反転正立は明日だ
最後に吹き付けた船体の白ウレタンが硬化するのに
3日はかかるだろう

昨日は時間待ちにスケグとラダーの
ピンドル ガジョンを合わせた

スケグとラダー補強のためにガラスマットとロービングを
低粘度エポキシで積層することにしている

ついでに新聞紙に包んだティラーを
ラダーに合わせるために取り出してみた
チークとスプルースのバームクーヘンのような綺麗なティラーだ

 

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