7MJOG 「萬丸」製作 ー5

小物としてのバラスト木型

これを鋳物やさんに持ち込んで鋳鉄のバラストを鋳込んでもらう。

起こしたら直ぐにあらかじめバラストを設置した船台に乗せる。

その後 船内作業なので工房に中二階を造り船の回りをぐるっと作業のしやすい面にしてしまう。

そうすると殆どの作業をシアーラインの直ぐそばでするので、船への出入りに登っていくという作業が無くなり格段に能率が上がる。

 

先ずバラスト補強とフロアー材受けをかねる補強材をバラストボルトの左右に渡す。

それらの補強材はみんなエポキシフィレットを付けてとても丈夫に船体と接着することにする。

バラストにかかる力は船体全体に分散されることになる。

補強材に付けたマイクロバルーンエポキシのフィレットがよく解る。

バラストボルトのワッシャーは図面では小さいと思ったので、ステンレスのL型綱をワッシャーとする。

これでバラストと船体が一体となる。

 

船内工事。

エポキシを狭いところで多用するので体の調子が悪くなった。
活性炭入りマスクは規格通り4時間で交換一日に2缶使う

特別にデザインを変えたデッキ

コクピットも原設計より格段に使いやすい変更をした。設計変更は横山晃さん以外のデザイナーにやってもらった。

出来るだけ変更はしない方がよいことが解った。造りにくいことこの上ない。

出荷前のトランサムから見た萬丸
萬丸の船内キャビン入り口からバウ側を見る。

フォクスルトイレ入り口のドア
ドアの上部にスリットがありフォクスルにはソーラーファンがある

左舷バウからスターン側を見る
全面もの入れだらけの左右の背もたれ部分。

 

このようにしてエポキシ接着のみで出来上がった萬丸には木と木の繋ぎ材としてのステンレス木ビスやステンレスボルトナットは一カ所も使っていない。
相当エポキシ接着の腕を上げないとそこまではやらない方がよいでしょう。

全部接着工法だと 金属が温度差で集めた水分を 回りの木部に吐き出さないので船は長持ちする。

それでも嵐の中でもミシリとも音が出ないモノコックの船が出来上がった。

部品取り付け用のステンレスボルトは下穴を大きく開けて 先ず木部に低粘度エポキシを染みこませてから取り付け木部と金属が直接接触しないような手間な方法を採った。

みんな設計の横山さんが提唱した100年保つ新世代の木造船を造るという考えからだ。

 

但し 今では百年保つ船は必要ないと思っている。
せいぜい一人のオーナーが乗る期間 十分な強度が保てたらそれでよいだろう。
海に出るにも有限の生命に生きる私たちには 価格(材料や労力) 対 効果  というのは大切な考え方であるとおもう。

次の行程

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