木造マストの製作工程です

マスト材のシトカスプルースの最高に目の混んだ一等材です。スカーフつなぎの為に厚みの12/1に斜に落とした所です。何枚もの板を12/1づつずらしながら、重ねておいて一気にプレーナーがけ。その後最高によくきれる鉋で仕上げます。重ねておいてやるのは、なるべく長い平面を斜に削った方が、綺麗な面が出る為です。
スカーフつなぎは、ますと製作でも一番気を使う所です。スカーフ部分を暖めた後一気にエポキシを塗り、左右のつなぎ材が真直ぐになる様に固定しておいて、サランラップを間に挟みながら全部一度につなぎ合わせました。
繋いだ後、直にマスキングシートでバックを作って、布団乾燥機で暖めます。一気にエポキシの立ち上がりを狙った事と、最近の長雨で湿度が70%を超えていたので、接着前の乾燥と、接着後の乾燥保温の為に、布団乾燥機を多用しました。
これはマストから出るサイドステーやインナーステーやハリヤード類が下に下がらない様に、ワイヤーが来る部分の直ぐ下に固定する為の堅木のコマです。小さな部品で堅いものはノミや鉋で作るのは面倒で危ないのでベルトサンダーで仕上げます。
土砂降の日です。本来ならエポキシ接着はやってはいけないのですが、布団乾燥機で材を乾かしておいて、一枚づつ取り出してはエポキシを塗ると言う方法で、雨の日でも接着に成功しました。材料破壊が起きる程の衝撃でも接着部が外れる事は有りません。スプレッダー材を接着前に布団乾燥機で乾かしている所です。1枚が2.8ミリくらいでしょうか、一枚づつ割り箸の桟を入れて隙間を作って、全体の表面が乾く様にしました。
下に有るのが、スプレッダーの彎曲に合わせてコンパネで作った型です。その上に乗っているのがスプレッダーになるスプルース材です。今回は2.7@の薄板を9枚積層接着する事にしました。
手前は既に出来あたった曲がり材。向こう側で型に添わせて接着してあるのが、今からもう1本作る曲がり材を積層接着した所です。
ちょっと見にくいのですが、クランプで挟んでいる右の固まりが曲がり型、真ん中がスプレッダーになる部分で、左が当て板です。写真の一番右の様な曲がり材を作ろうとしています。
全体をバックで被って暖熱乾燥で、エポキシの接着性を上げようとしている所です。
これがスプレッダーで、真ん中のマストの通る穴は、マストを削り出して塗も終わって仕上がってから開けます。左右の端の堅い木の補強材はこれから接着します。

このようにして、雨台風を物ともせずエポキシ接着をどんどんやりました。同時に接着の破壊テストもやりましたが、全く問題が有りませんでした。しかし、温度管理や湿度管理は通常ではやらないで、良く晴れた暖かい湿度が60%を割っている様な日が接着日和です。お忘れなく。

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