66 癒しの海(2002/12/16)

松山に住んでもう18年になります。

堀江海水浴場に面した海岸から数メートルの所です。

ちょうど私たちの子育ての期間でした。
海の近くに住んで子供たちにとっても良かったと思います。
子供たちは一日に何度も泳ぎに行き、
魚を追っかけ貝を拾い、
何時も夏の終わりには真っ黒に日焼けしていました。

あまり余裕はありませんでしたが、
五郎左右衛門という雑種の犬も居たのでよく散歩もしました。
14歳で一昨年老衰でなくなりました。
あれ以来散歩もあまりしなくなりました。

海のそばに住んでみて用もないのに海に来る人が多いのに気が付きました。
たいていは同じ人が同じくらいの時間にやってきます。

明らかに精神に異常を来している人も何人も見ました。
そうでなくても一歩手前かなと思う人も居ました。

日本では毎年3万人以上の人が自殺でなくなるそうです。
その10倍は自殺未遂をした人や死にたい人が居るそうです。


堀江には歩け歩け小母さんというのが居ました。
一日中護岸を歩いているのです。
冬でもスカートで でっかい真っ黒な足を出してせっせと歩くのです。

もう一人も最近は見ませんがぶつぶつ小父さんというのも居ました。
ぶつぶつ言いながら胸を張ってせかせかと歩きます。

堀江原人というのも居ました。
彼は九州の人で大阪に住んでいたが住めなくなったので九州まで帰ろうとして、
やっぱり返ることが出来ないと松山観光港で船を下り、
堀江海水浴場の波返しに小屋を作って半年くらい住んでいました。
市役所の人が病院に入院させて病院を住居として生活保護を受けることになったと言うことです。
彼とは仲良しになりました。

その前にも堀江海水浴場に住み着いた人が2人居ましたから、
このあたりは住みつきやすいのかも知れません。

他にも面白い人は沢山居ました。
松山市内から毎日雨の日も風の日も自転車で池川ヨット工房の前に来て、
何をするのかと見ていると、
砂浜の波が寄せるぎりぎりまで近寄り、
靴を脱いで、
靴下を脱いで、
かかとをちょこっと海水に浸けるのです。
何のおまじないか解りませんがその人は何年もそれをしに海に通っていました。
時々自転車がパンクしたままで堀江に着いていたので、
相当長い距離を毎日走っていたようです。

そのほかにもスーツを着てスクーターに乗って来て
朝からずっと堤防の上に座りっぱなしで海を眺めてはたばこを吸っている40歳過ぎくらいの人も居ました。
彼も半年以上続いたでしょうが
気が付くと見えなくなっていました。

若い人で夜遅くまで堤防の上に座って海を見ているなどと言うのはざらにいます。



男も女も
老いも若きも
狂った人も
狂いかけている人も

なぜか海を見ているといい気分になるのでしょうね。

「死ぬ気になれば何でも出来るしっかり生きよ」
などと言いますが、
死ぬ気になるような人は 何もしたいことがないのでしょう。

うつ病という病気だから、
まともな精神科にかかり心の病を自覚することが先決です。

衣食足りて住みにくい世の中になってきたものです。
海を見て心安らぐなら何時でも思いついて海を見に来てください。

狂った世界は私は知りませんが
現実離れしたヨットの世界なども
もしかしたらそちらに近い世界かも知れないなと思ったりします。

私で良ければヨット教(狂)の世界にもご案内します。


そう言う私のヨットは船体を作り始めて3ヶ月半
もう船の外板の 2/3を張り終えました。

たぶん来年秋には浮かんでいると思います。

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