2000/5/29 9リーフの時期

 最近のクルーザーを見るとリーフラインを通していない船も良く見かけます。吹いて来たらどうするのかなあと思うのですが、そんな時は出航しないのかも知れません。それでも絶対に強風に捕まらないと言う保証は何処にも無いのですから、リーフライン位は通しておかないといざと言う時には酷い目に合うと思うのですが、ディンギーレーサーの様に風を逃がして走っているクルーザーも見た事が有るので、そんな事をしながら港に逃げ込むのかも知れません。それにしてもクルーザーでありながらリーフラインも通していない様はヨットは行動範囲が狭くなるのは当然ですね。


 さてリーフの時期ですが、私の場合はちょっと早めかなと思うくらいで丁度良いと思っています。ヒールしてト−レールが濡れる前にリーフすると言うのが原則です。ト−レールが飛沫でも浴びたら即リーフします。それ以上ヒールさせても走っている様に見えて、横流れが多くなり見た目程は走っていないものです。風力が安定しない追っ手では、そのまま登りにしてもト−レールが濡れないくらい物足りないセール面積にします。リーフの時期は周りの海面や雲行きから早め速めに判断します。特に島陰や山の近くを通る時は吹き出しに注意して、小さめの帆にします。でないと吹き抜けの突風にあおられて、横倒しになる事も有るからです。4年前に台風18号に巻き込まれた時は島陰に逃げ込んだつもりが、風が巻いていて海面から海水を吸い上げる様な状態で生きた心地もしませんでしたが、リーフしていたので難を逃れる事が出来ました。低速を失う事も重大事故に繋がりますが、それ以上に恐ろしいのは風に対してセール面積が大きすぎる事です。


 必ず出航前にリーフラインをセットして、危険を感じたら躊躇せずにリーフする訓練をしておく事が大切です。リーフの時期を逃せば益々困難な状況に追い込まれるのは目に見えているのに、面倒だからとかもう少し待てば風も収まるだろうとかいう甘い判断でリーフの時期を逃してしまってはいけません。怪しいと思ったらすぐにリーフする事です。それを解除してセール面積を大きくするのは時間をかけても良いし、判断が遅くなっても危険に繋がる事は有りません。


 より簡単に、より素早くリーフ出来る様に、リーフシステムの点検とリーフの訓練を、強風に合う前に何度も行って体得しておく事が海で生き残る条件の一つだと考えます。

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