世の中不景気になったと言います。
景気の良い頃もどうと言うことはなかったので、
私のところは景気には左右されないと思っていましたが、
やはり少しは関係あるのかもしれません。
不景気の時こそ物は買い時です。
買い手市場で買い手の要望が優先されるからです。
まあ木造船は景気が良くなったから売れるというような物ではありません。
それでも潜在的に木造船を買おうと思っている人も、
この不景気では躊躇せざるを得ないのかもしれないと思ったりします。
しかし、最近私のところに時々問い合わせの電話や直接訪ねてくる人もあります。
一ヶ月に一人くらいのペースです。
今まではそんなのは経験しなかったことです。
多分団魂の世代と呼ばれる人達(何故かヨット乗りも多い)が定年近くになって、
自分を見直す時間をヨットで持ちたいと思うような人が、
増えてきたからかもしれません。
作り手側の都合の良い受注は今の時期です。
冬の寒い間に現図を引いてそれぞれの部材の型を作り、
春になったら部材を製材して切り出し、
夏になったらエポキシ接着や塗りをやり一気に組み立てます。
秋に仕上げ進水というのが理想です。
なかなか理想通りには行きませんが、
それを外すとエポキシや塗りの暖熱に非常に時間と経費を使うことになります。
もちろんそのことは一カ所でも失敗すれば船の性能にも大きく影響されることです。
なかなか理想通りには行かないのが現実ですが、
次艇はどうもそのように進みそうな予感がしています。
次は いい加減 な船を造ります。
お金と手間とヨットに求まられる性能が丁度良い加減という意味で、
素晴らしい船を造ろうと思っています。
100年保たなくて良い、
手入れをして30年、
程良い値段で、
大切なところに思い切り時間をかけ、
ヨットとして不必要な部分は思い切り手を抜いて、
理想のヨットを作るつもりです。
木造船を作る造船所が圧倒的に少なくなった今、
これから木造ヨットを発注しようとしている人には、
どうしようもないヨット造船事情の日本ですが、
私の考える理想のヨットは乗り手としての私の理想のヨットですので、
きっと海に受け入れられるものと思っています。
もう一度「海の広場」の1 どんなヨットが良いヨットか?
と10 クルージングヨットを読んでみてください。