25 船体仕上げ(2004/07/01)

2004/07/30

工房二階のプレーナーを分解して下に下ろし
いよいよマスト材の接着にかかった

先ずは材料厚味の12倍の距離を斜めにそいで
長手方向のスカーフつなぎをするところから始める

斜め切りは材料をずらしながら重ねて置いて
ハンドプレーナーで粗落としをした後
手カンナで平滑面を作る

そして斜めに落とした面どうしをエポキシ接着
昨日やった一本目は先ず成功のようである

 


2004/07/29

工房二階に持ち上げたプレーナーでマスト材料を削った

通称オバキュウと呼ぶ集塵機のダクトを二階まで引いて
鉋屑が飛び散らないようにした
昨日だけでオバキュウの集塵袋がいっぱいになった

メインマストは12層の積層で直径が168o長さが9.5メートルとなる

ミズンマストは8層で巾が104o長さが10メートル5センチ
ミズンマストの方が長いのはコクピット床の低い部分に立つからだ

メインマストとミズンマストのあまりの太さの差にびっくりする

「萬丸」改名「智丸」の化粧直しと平行して
私の船のマスト接着をすることにした
その日の気分と仕事の段取りで変化のある一日を味わおう

 


2004/07/28

コクピットの おそらくここで操縦するだろうなと思える
左スターンハッチの上に座って前方を見たところ

ハードドジャーにして良かった
アクリル窓なのではっきりと前が見える

昔ノラ21はソフトドジャーだったので窓が直ぐに曇り
何時も横から身を乗り出して前を見て安全を確かめていた

このドジャーをぐるっと覆うようにブームギャローがあり
ブームパンチからドジャーを守る役目もしている

とても2.5ミリ合板とは思えないしっかりした感じになった

空気の抵抗は水の抵抗の1/800だそうだから
こんなに大きな構造物でも
計算するとプロペラの抵抗の1/18しかない

今ヨットの世界はソフトドジャー全盛だが
ほとんど折り畳むことはないので
今からはハードドジャーの方に移行するように思う
FRPで作ればソフトドジャーよりずっと安くできるだろう

 


2004/07/27


今日も早朝写真を撮りに行った

朝の光を浴びて漁船の操舵席のようなハードドジャーが光っていた
その頭にある角みたいなのがブームギャロー

後に置いてあるモーターボートのフライングブリッジがその後ろに写っている

その後ろ堤防を越えると瀬戸内海の鏡のような水面が見える
夏の瀬戸内はヨットにとっては最低の無風地帯です

今日も朝から蝉がうるさく短い命を歌っています

 


2004/07/26


早朝写真を撮りに行った

一昨夜ハードドジャーとその上をカバーするブームギャローを取り付けたのが
どうも漁船のような印象を与えている

まあ2.5o厚味の日本製耐水合板だ
大嵐になり一波かぶれば船体に影響なく吹っ飛んでいくだろう

朝デッキに10羽ばかりの鳥が止まっている

どうしたのかなと思ったら水銀灯に集まって死んだ虫を食べに来ていた
左側デッキは虫の死骸と鳥の糞公害で
早くも中古艇の様相だ


2004/07/25


狭っ苦しい工房からアンカレッジマリーナのモーターボート置き場へ移動
真ん中にある丸い物は夜間照明の水銀灯

ヨットは52フィートまで陸置きしているマリーナだが
今はシーズンで移動が激しいので
私の船はほとんど移動のない隅の方に置いてもらった

昨日の夕方涼しくなって写真を写しに行った
ついでにハードドジャーとブームギャローを取り付けて帰った

これでデッキのボルト穴はみんな塞がったので雨が降っても安心だ


2004/07/24



21日工房から船を出す寸前の様子

足場をみんな外し工房前の扉を開いて出す準備が整ったところ

昨日は用がありマリーナへも行ったがカメラを持っていかなかった

今は工房には「萬丸」新しい名前は「智丸」が入っている
サイズの違いがよく解る


2004/07/23



21日工房から船を出してトラックに積み込んだ時の様子


2004/07/22

昨日は移動日

仕事をするために工房を開けることになり
32フィートガフケッチはアンカレッジマリーナへ移す

沢山の人が手伝いに来てくれた
皆さんありがとうございました

今日は用事ができて大崎上島へ行った

しばらくぶりの雨にあった


2004/07/21

いよいよ今日は近くのアンカレッジマリーナへ船を移す

完全とはいえないが船体の仕事は一応終了した

昨日はウインドベーンの組み立てをした

そしてその台であるパイプからハシゴを下ろしてプロペラをのぞき
プロペラに絡むナイロン袋や流れ藻を取り除く装置を作った
装置と言っても只の棒きれの先に沢山木ビスを打った物である

それでも半身は水に浸からないと作業が出来ない
何とか水に浸からないで
プロペラに絡んだ物を取り除く方法はない物かと考えてみるが
良い方法は思いつかない

真冬に水に潜るのは考えただけで嫌になる


2004/07/20

船内右クォーターバース入り口の写真

クォーターバース入り口やドッグハウスの窓にカーテンを付ける

いよいよ船体ではやることが無くなった
長かった船内仕上げもほとんどの仕事が終わった

昨日は珍しく100円ショップへ行って
ドッグハウス入り口の処に取り付けるプラスチックの物入れを買った
直ぐ取り出す必要がある物を入れておく事にする
消火器の斜め上方に見えているのがそうだ

プロペラにペラクリンも塗った
いよいよ明日はマリーナへ運ぶことになる


2004/07/19

船首右側部分

バウスプリットはあまりに長いので起倒式とした
それでやっと工房内に長さが収まっている

船台にキャスターを取り付けると
一番高いメインマストヒールと天井のH鋼との隙間は
200ミリくらいしかない

やはりこの工房はこの船のために出来ている
14メートルある工房も一番奥に作業場を3メートル取ったので
実質11メートルしか長さの余裕はない
その中でアウトラダーで9.6メートルの船を造るのは限界だ


2004/07/18

ウインドベーンの水中翼(トリムタブ)を仮取り付け

大分回転の軸芯を後にずらして小さい力で回転できるようにした
丁度バランストラダーのやり方である

このトリムタブと呼ばれるまだ木目が見えている
ラダーの後に取り付けた空中翼で動くタブがラダー後端を押し
風に合わせて船の方向を変えることになる

取り外して塗りを仕上げた後再取り付けである

それと昨日は船内カーテンを取り付けた
船内の日焼け防止である

いよいよ船体はほとんどの部分が曲がりなりにも完成し
出荷を待つのみとなった


2004/07/17

エンジンのカップリングを4本のボルトで完全に固定した

カップリングの芯だしは隙間ゲージを使い
0.04ミリのゲージが入らなくなるくらいきちんと出した

プロペラも本締めし
防蝕亜鉛を2個取り付けた

しかしこのプロペラが水中で思いきり回転して
4トン近くある船体を7ノット(およそ時速12キロ)で動かすのである
風が強くなればセールには遠く及ばないが
それでもエンジンは大したものだと思う

言葉(カップリング

エンジンとそこから後のシャフトとプロペラを繋ぐ円盤
エンジンからの円盤とシャフトのエンジン側に取り付けた円盤を
エンジンの高さや左右のふれを調整して
きちんと面を合わせた後
4本のボルトで締め付けて固定し
エンジンのパワーを真っ直ぐにプロペラに送る大切な部分


2004/07/16

中二階の踊り場と船体の隙間が50ミリしかなくては吹きつけは出来ない
そこで船台にキャスターを取り付けて船全体を350ミリほど持ち上げ
船体と中二階床との隙間が200ミリほど開いた

しかしあまりにも狭っ苦しく綺麗な吹きつけは出来なかった
まあ良い自分の船だし遠からず刷毛でペンキ塗りの船体になるだろう

いよいよ出荷準備は整った
21日和田さんと宇都宮さん(香川県在住)に手伝ってもらって
昼までにはアンカレッジマリーナへ移動させるつもりだ

いよいよ残すところマスト製作とその設置のみとなった
食べるための他の仕事もしたので予定より進水が1年くらい遅れたことになる


2004/07/15

船体白ウレタン吹きつけ終了
あちこち10カ所くらい垂らしたが まあ自分の船だからあれでよい
紫外線を避けるのが主目的だ

ハードドジャーにアクリル窓を取り付ける
気持ちよい透明感にやっぱりドジャーはハードに限ると妙なところで感心

夕方大阪から九州一周帰りの「K&K」と言う船の石田さんが来られる
真っ黒に日焼けして精悍な感じになっていた
九州一周は時計回りが良いよと言う話をうかがった

実際にあちこち行って見てきた人の話は
聞いていて面白いし現実味がある

 


2004/07/14

昨日は一日中吹きつけ準備

船台の下にキャスターを取り付け船体を持ち上げた

踊り場の下と上に吹き付け用ネットを張り
船体のサンディングを終わらせ
マスキングシートとテープを貼った

ラダーも水に浸からない部分はウレタン白を吹くことになる

これだけの仕事をしても時間的に余裕があったので
ハードドジャーに白のウレタンを刷毛塗りした

今日は15:00くらいに大阪からクルージング中の
「K&K」の石田さんが工房を尋ねることになっている
それまでに何とか仕事を終わらせて置かねばならない


2004/07/13

昨日は野暮用でほとんど仕事が進まなかった

船と踊り場の隙間が左右5センチずつくらいしかないので
船台にキャスターを取り付けて
船を持ち上げ吹きつけのための隙間を確保することにした

チェーンブロック4個で船を持ち上げるのは簡単だ

今日は船を持ち上げ最終磨きの後
パルピットやスタンションを仮に取り付けて
マスキングシートを張れるようにする

明日は必ず船体吹きつけをする


2004/07/12

ウインドベーンは水中タブをのぞき取り付けが終わった
トリムタブは現在進行形で塗りをやっている

いよいよ時間が無くなった
船体の塗りが最優先だ

15日までに塗りおえていないとその後の予定が進まない

マリーナに持ち込んだらもう吹きつけをすることは出来なくなるので
船体吹きつけだけはどうしても終わらせておかないといけない


2004/07/11

ハードドジャーの写真ばかりで面白くないとは思うが

整形して通路に放り出し防腐剤入り低粘度エポキシを塗った

向こうに見えているのが工房で
その直ぐ向こうは堀江海水浴場
丁度窓からのぞいているのが家の入り口階段
左の白い壁が家

家と工房の間は1メートルくらいの通路になっていて
通勤時間は数秒です

ハードドジャーのアクリル窓も切り出しました


2004/07/10

ハードドジャー窓の切り抜きまで終了

今日は取り外して塗りをやり仕上げにかかる

いよいよ21日に工房から出さないといけないので
仕事としては工房から出したら出来ない
船体の塗りが最優先だろう

ウインドベーンも一応セットしたいし
細かいことでやらないといけないことは山積みだ

部品取り付けで穴の開いてる部分を屋外に出すので
テープで塞いでおくのも忘れてはいけない仕事だ
パルピットなどは運んだ後で取り付けとなる


2004/07/09

ハードドジャーの外側をステッチアンドグルーの工法で
マイクロバルーンエポキシパテを入れてガラステープを積層する

これで取り外して窓の部分を切り抜き
防腐剤入りエポキシの塗りと紫外線除けの白ウレタン塗り
そして窓のアクリルと取り付けたら
ハードドジャーのできあがりとなる

同時進行でウインドベーンの水中翼の方も加工している

今までの経験からウインドベーンが使えるようになるまでには
試行錯誤のテストセーリングが必要なのは解っているが
又一からそれをしなければならないと思うと
浮かべてからも大変だなと思う

とにかく21日には近くのアンカレッジマリーナへ船を移動させる
近くの方で暇をもてあましている人は
工房から船を押し出すのを手伝っていただけると有り難い

工房前から大型クレーンで専用運搬車に乗せてマリーナへ運ぶ


2004/07/08

ハードドジャーの内側をステッチアンドグルーの工法で
マイクロバルーンエポキシパテを入れてガラステープを積層する

内側から上向きがほとんどなので非常にやりづらかった

今日は外側からなので簡単にやれるだろう

船体の凸凹を消すために研ぎ出しにかかっている

いよいよ仕事で工房を開けないといけなくなり
マストをのぞく船体全部を仕上げるために急ピッチで仕事を進める

 


2004/07/07

工房東側の通路に脚立を出して
ウインドベーンの水中翼をガラスクロスで巻いた

翼型断面の先端が極端なRになっているが
サランラップをかけてエアー抜きをするときちんと気泡は抜ける

最近暑い日が続いている
朝10:00くらいから温度が急上昇して汗がしたたり
何をやるのも嫌になる

一日一日命をすり減らしているという感じがする

今日は朝の涼しい内にハードドジャーのステッチ部分の積層から始める

 


2004/07/06

船体のサンディングを始めた

木造艇は出来上がってから3回くらい船体のスムージングをしないと
必ず木が動いて綺麗な船体表面は出来ないそうだ

32フィートガフケッチは船体が出来上がって反転正立させてから
およそ一年半が経つ
マホガニーの部分とマホガニーを接着したエポキシの部分と
マホガニーを接着するまで仮止めした木ビスを抜いた後に入れたエポキシが
違う動きをして船体表面がガタガタになった

写真のエアーサンダーを使ってスムーズな表面を作り直すことにした
写真一番左にあるのはロールペーパーをサンダーの長さに切ったもの
その右にある二枚の板は合板で作ったペーパーに穴を開ける治具
その右は使い終わったペーパーで
その右にあるのが強力な平面造りのためのエアーサンダー

赤い色が付いている小さいのは小型のエアーサンダーである

昨日は昼からこれらを総動員して船体をサンディングした


2004/07/05

舟尾にある120センチメートル×240センチメートルの作業台

手前に二つ同じ形の板が見えているのが水中ベーン
トリムタブ方式というウインドベーンの水中翼で
舵の後端をこれにかかる水圧で押すことにより
風に合わせて船の角度を決めるために舵を切ることになる

一つは予備のとリムタブである

もう一つ大きな物が作業テーブルに乗っているのは
長男の真澄人君に頼まれた車のエアロパーツ
車の前側バンパーだが薄いFRPなので
バンパーの役目は果たさないだろう

白いウレタンを吹き付けることになったが
昨日は時間切れで吹くことが出来なかった

若者はおかしな車に乗って・・・・と思いながらも
私も子供に物を頼まれると断れない 親バカ
でも私が彼に物を頼むことの方が圧倒的に多い


2004/07/04

ラダー保護を兼ねるウインドベーンの固定台の重さを計ってみた
7.2キログラムあった
随分強そうだがパイプの肉厚が薄いのか軽くできている

これを取り付けるために船を前に200o前進させた

いよいよ空中ベーンも取り付けてみて
水中翼との兼ね合いを考えないといけない

早く梅雨が明けないかなーと望んでもどうしようもないことを考える
心ここにあらずマストの作り方をずっと考えている


2004/07/03

船尾にウインドベーンを取り付けるためのパイプ金物を作った

最後尾から中空上に3本の足を出してウインドベーンの空中翼を固定する

パイプはラダーの保護にもなるし
泳いだときに船に上がる足場ともなる
自作ウインドベーンは非常に軽いのでこのくらいのものを
船尾に取り付けても船全体の重量バランスにさしたる影響はないだろう

昨日は仕事として古いヨットを解体した
カッティングサンダーで最大1メートル角に切り刻んだ

昔の船はしっかりした造りだ
小さい船ながら積層も厚くてカットするのにサンダーを三つも用意して
ぬれタオルを巻いてサンダーを冷やしながら切った

何でもそうだが物造りは
最終処分の事まで考えて作る必要があると思う

バラバラになったヨットを見て
船としてこのプラスチックの塊の長い歴史に思いを馳せる


2004/07/02

ブームギャローの下にハードドジャーを作る
しかしいくら質実剛健とは言え不格好だなーと思う

2.5ミリメートル厚味の日本製耐水合板だが全く耐水にはなっていない
塗りをしっかりしないと一年も持たないだろう

ドジャーの役目は飛沫避け雨避けである

90%くらいの船はキャンバス製のドジャーを付けている

私もそうしようと考えたがステンレスパイプやそのジョイント金具
そして自分では出来ない高いUVカットキャンバスの縫製などで
あきらめて一番安い日本製合板と
ステッチアンドグルーの簡単なやり方で作ることにした

本当の嵐になれば船にダメージを与えないで
簡単に吹っ飛んでなくなってくれるだろう

それと一つ良いところはハードドジャーだとアクリル窓に出来ることだ
ソフトドジャーの柔らかい窓に比べ格段にクリヤーだ
友人が2ミリのアクリルをくれた


2004/07/01

ドッグハウスの一番後にブームギャローを付ける

セールを上げていないときにブームをこの上に置いて休めるところだ

図面で測るとスライドハッチの上から600ミリの処がブームの下辺になっている
ブームギャローはその下にドジャー(飛沫避け)を作る関係で
スライドハッチ上から450ミリくらいの高さになった

船体を塗り直さないといけないので
船台に立てかけていた舟艇用合板等を駐車場に片付けた
工場の中がすっきりしこんな事なら早く片付ければ良かったと思う

梅雨が明ける前に船体は仕上げておかないといけない
まだまだ細かい仕事が沢山残っている

 

過去の日替わり写真

             
             
             
             
             
             
             
             
             
               
               
               

 

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