27 総仕上げ(2004/09/01)

2004/09/27

雨の隙間を縫い湿度計とにらめっこをしながら
ミズンマストの左右を張り合わせた

グルーブというセールが通る穴が左右で少しずれていたが
問題があるほどではない気にしないことにした

とても暑くてレーダー反射用の銀紙を避けながらエピグルーを塗ったので
時間がかかりエピグルーがゲル化しかけあわててクランプを締め付けた

これで一本マストができあがった
後は楕円削りとガラスクロス巻きそして塗りである

昨夜雨が降ったらしく地面が濡れている
メインマストの接着はお預けになった


2004/09/26

湿度が高くまたもや小雨が降る

これで5日も接着が出来ない日が続いている

マストはメインもミズンも中ぐり後の最後の合わせ接着のみとなった

仕方がないので昨日も自作者から注文を受けたバラスト木型を作った
部品として作った物を組み上げて
1%全体の寸法が大きい 立体のバラストができあがった
(鋳物は木型より1%やせるのだそうだ)

これを写真のストレートサンダーとダブルアクションサンダーを使って
パテ付けをしながら整形していく

そしてバラストと船体を繋ぐナット穴を(中ごう)という物を使って
鋳込めるようにする

おそらく残り2日くらいの仕事だと思う

 


2004/09/25

マスト接着が雨でストップした
その間自作者から注文を受けたヨットの鉄製バラストの方を進める

私が現図を起こして木型を造り鋳造所に鋳込みをお願いする
本人が自作している場所まで届けると言う一仕事を受けた

1.2メートル×2.4メートルの作業机ほとんどいっぱいに広がったバラスト骨組み
現図を引き初めてここまでトータル4日
8.6メートルカッターのバラストである

鉄と鉛の違いはあるが私の9.6メートルのバラストとあまり違わない大きさだ
さあ困ったぞ
これを広島の鋳造所まで運ぶ事を宅急便に任せて良い物か
重量もあるし乱暴に扱われたら壊れてしまうだろう

 


2004/09/24

上側のミズンマスト左右グルーブ部分に白ウレタン塗り

グルーブの隙間から太陽の光が差し込み紫外線劣化が始まるだろうから
雨が降って接着が出来ない今グルーブの中も白く塗ることにした

メインマストの半分下側の方に
アルミホイルを多面体になるようにくしゅくしゅと丸めて置いてみた
アルミマストでないのでレーダーを反射させるために
マスト 中ぐりにアルミホイルを入れた方がよいと聞いた
真嘘のほどは解らないが手間でもないし他にも影響はないのでやってみることにした

言葉)グルーブ
セールのマスト側の辺をマストに固定するためのミゾ
メインセールのマスト側にはボルトロープというロープが縫いつけてあり
そのロープをグルーブというマストの奥側が広がり出口が狭まったミゾに通して
そのミゾからセールクロスが出てくる形になる

現在のアルミマストではグルーブとボルトロープの関係は
カーテンレールのような仕組みになり
セールの上げ下げも随分スムーズになっている


2004/09/23

マスト中ぐり部分の塗り
低粘度エポキシをほとんど薄めないで2度塗り

ツルピカの綺麗な表面になった

紫外線も当たらないマストの中なのでこれで終わりにする

次は二日続いて晴れたらいよいよ最後のマスト左右を接着積層だ
長くかかったマスト造りも先が見えてきた

後はメインマストは円削り
ミズンマストは楕円削り
その後全体をカバーするようにガラスクロスを低粘度エポキシで積層し
白のウレタンで表面を仕上げるつもりだ

言葉で言うと簡単だがなかなかしんどい仕事だ
後一週間くらいかな


2004/09/22

マスト中ぐり部分の塗り
下の2つがメインマストその上がミズンマスト左舷側

防腐剤入り超低粘度エポキシ エバデュアが硬化した後
あまり凸凹な部分にマイクロバルーンエポキシをつけてフェアーにする
サンドペーパーで磨いてつるっとした面を作るより仕事がずっと早い

見えないところだし私の船だ
性能や強度に関係のない苦労はしたくない

その後低粘度エポキシを一度塗りで硬化させた

今日はサンドペーパーをかけた後エバデュアから言うと3度目の塗りにかかる予定


2004/09/21

床に置いてある右側2本がメインマスト
その左がミズンマスト左舷
マスト接着台の上に乗っているのがミズンマスト右舷側

中ぐりが終了して昨夜エバーデュアという防腐剤入りの
超低粘度エポキシを彫り終わった部分に塗った

メインマストは片舷で2日かかった中ぐりが
ミズンマストは両舷を一日で彫り終え塗りまでやれた

考えてみるとそのスピードの違いは中ぐりで取り除く木の量による様だ
高価な目の通ったスプルースのマスト材
本当にマストとして残るのは最初の製材から入れると半分もないような気がする


2004/09/20

1メートルごとの中ぐりゲージの位置を先にきちんと仕上げ
その後ゲージ間のでこぼこを無くすために加工したカンナを使って
平滑面を作る

昨日はメインマストのもう片方側中ぐりまで終了した

今日からミズンマストの中ぐりにかかる

こちらは楕円マストなので中ぐり深さもそんなに深くはない
ほとんどミゾ切りカッターで 仕上げ寸前まで彫れそうだ

工房二階現図場がおがくずだらけほこりだらけになった
集塵機のホースでいくら吸わせてもほこりっぽい

全部終わったら大掃除をしよう

 


2004/09/19

ミゾキリカッター2台

普通は障子やフスマの滑りミゾや上側の受けミゾを切るのに使う

私の場合は主にマストの中ぐりをするのに使う

幅12ミリ二枚の刃角を落とし掘った溝の底が局面になるようにする
ちょっとずつずらしながらだんだん大きな溝を掘る
深さは一気に掘らないで徐々に掘り下げるようにしないとモーターが焼ける

メインマストの片方のミゾを仕上げるのに丸々2日かかった

 


2004/09/18

 


市販のカンナを加工してマスト中ぐり専用に仕立てたカンナ達

手前が敷居のミゾを削るためのカンナで
台と刃を丸め台の頭の方を反らせてある
中ぐりの時に鉋屑をつまらせないでザクザク荒削りするのに使う

その上2つはそれぞれ曲がりが違う普通の丸カンナを
頭を反らせて後ろに取っ手をつけた物である
マストの中ぐりをやるには取っ手がなかったらカンナを持つことが出来ない

写真一番上にマストの位置に合わせて作った掘り込み深さを見る定規が写っている
一メートルおきに定規を造る
その部分ごとの中ぐりのサイズが違うからである

機械のミゾキリカッターの刃が25ミリくらいの深さしか掘れないので
54ミリの深さまで掘らないといけない大きなマスト中ぐりには
各種ノミと上のカンナ達が大活躍する

中ぐり二日目でメインマストの片面だけほぼ仕上がった
腕の筋肉と手のひら表面の皮が悲鳴を上げている


2004/09/17

 


メインマスト中ぐりを始めた
1メートルおきにくり抜く深さの定規を造り
先ずそれよりも浅くミゾ切りカッターで荒落としをする

考えてみたら丸ノコでも40ミリメートルもの深さを
10メートル近くに渡って切ったらモーターが熱くなるはずだ
それをミゾキリカッターでは刃の厚みが12ミリある
休み休みやらないとモーターが熱くなり手でもっておれなくなる

二つのミゾキリカッターを使い
濡れタオルと扇風機でモーターを冷やしながら 作業を進める

ミゾの真ん中に残った木の固まりをノミではつったら
ハンマーを握る右手小指の皮がむけた
家大工とは違いほとんどハンマーなど使うことがなかったから

ノミもあまり激しく使うと刃の部分が熱くなることを知った
ハンマーでたたかれて刃が木に食い込んでいくときの摩擦熱だろう


2004/09/16

 


メインマスト片側7枚の最後の積層接着

7枚一度には無理なので今回は3枚接着して硬化した上に
残りの4枚を積層接着した

あまりに気温が高いからエポキシを錬って広げている内に硬化が始まるのだ

これで左右半分ずつ出来たマスト材の中ぐりをして 両方を合わせ
周りを丸く削るとパイプ状のマスト材ができあがる

無垢棒より重量当たりの強度は格段に強くなる

重量当たり強度はアルミマストよりも強いだろう
でもレーサーのカーボンエポキシマストよりは弱い

木のマストの強みはその場の応急修理が他の材質より圧倒的に簡単だと言うことか


2004/09/15

 


米子さんと井上さんが船を見に来た

「作れる人は良いなあ」は米子さんの言

井上さんは「これなら住める」と感心していた
井上さんが自作した6メートルツーリングセーラーでは
住むにはキャビンが狭すぎる

二人に私のマストの積層接着を手伝ってもらった

最後の仕上げで忙しいときに工房を訪ねた人は
(立っている者は親でも使え まして他人は・・・・・)
とばかりにこき使われることになる


2004/09/14

 


思わぬ季節に断続的に雨の日が続き
マスト材の接着がストップしてしまった

マスト小物の部品取り付けをすることにした

上の写真はミズンマストスプレッダー4本の根本に取り付ける金具である

今日こそはメインマスト材最後の横方向積層接着が出来るものと期待する
湿度計が70%を切ったらスタートするつもりだ


2004/09/13

 


朝は晴れていたが午後から雨

朝早く船底塗料二回目を塗り終え
後は仕事にならない

写真は足踏みでふたが開くゴミ箱

ふたの上にクッションを載せ椅子としても使えるようにした
底にはゴムを張って少々のヒールでは滑らないようにする
船用のゴミ箱は以前から必要だと考えていたが
いざとなると良いアイデアが浮かばない
だめなら捨てることが出来る既製品にした


2004/09/12

 


バッテリーへ結線する前にチャージコントローラーという
過充電にならなくて夜はバッテリーの電気をパネルに逆流させない装置が付く

私の場合並列に3つのバッテリーに充電して
それぞれのバッテリーに逆流しないようにダイオードを入れるつもりだ


昨日書いた上の文章は誤りだった
コントローラーはダイオードを入れるとそれを関知してバッテリーに電力を流さなくなる
というかコントローラーからバッテリーへは直接結線する必要があるようだ

だからアイソレーターを使って一つずつのバッテリーを充電するようなややこしいことになるのだ

昨日は湿度が高くてマストの接着も出来ないので船底塗料の一度塗りをした

朝は夜露でデッキ全体がビショビショに濡れている


2004/09/11

 

二つのソーラーパネル
ドッグハウス上にシーカフレックスで架台ごと貼り付けた

このサイズのソーラーパネルでバッテリーへの電線は
普通の家庭で使われているくらいのサイズの線を使ってある

バッテリーへ結線する前にチャージコントローラーという
過充電にならなくて夜はバッテリーの電気をパネルに逆流させない装置が付く

私の場合並列に3つのバッテリーに充電して
それぞれのバッテリーに逆流しないようにダイオードを入れるつもりだ

一つのバッテリーはディープサイクルでないものを
エンジン始動のためだけに使うことにする

ディープサイクルバッテリーをその他の事に系統を切り替えながら
必ず片方は航海灯を点灯させることが出来るような使い方で使うつもりだ


2004/09/10

 

マストの中ぐりは色々なやり方があるが
この方法が一番早くてきれいに出来るというのをお見せします

溝切りカッターという家大工さんが障子やフスマの溝を切るのに使うもので
色々な形の刃物が取り付けられるが
その内の二枚刃で幅が12ミリのものを先を丸めてU溝が掘れるようにしたものです

機械本体の白いプラスチックの間に先を丸めた刃物が見えるでしょう
市販のものはみんな先が平たくて角があります
それを自分で加工して丸くします

幅12ミリのU溝をどんどんずらしながら大きな半円を彫ります

右上に見えている四枚刃が本来の敷居を掘るための刃です

その昔色々試していたときはルーターで掘ったり丸ノミで手彫りをしたり
随分苦労したものでした


2004/09/09

 

ミズンマストの中ぐりをするために墨付けをした

写真右に置いてある図面を見ながら
もう一度寸法を確認した

ミズンセールにはボルトロープがあるので
グルーブを彫らなければならない

それとマストそのものをパイプ状にして
軽くて丈夫にするための穴をあける
そしてその穴には接着前にアルミホイルを入れて
レーダー波を反射するようにするつもりだ


2004/09/08

 

写真はソーラーパネルの裏表
下側にある白い裏 を見せている方にチークの台を付けているのが解る
上の方のパネルでは白く塗ってある部分の端っこだけが見えている

ドッグハウス上への接着も
ソーラーパネルとチーク台との接着もシーカフレックスでやる
色々実験したがものすごく強力な接着で剥がれることは先ず無い

昨日の台風は堀江湾にアンカーを打っている本船を眺めて過ごした

フェリーも6隻いた
アンカーがしっかりしていないのかフェリーだけは
湾内をもっぱら風上に向かって走っていた
陸からの風(南風)だから波が立たなくてよかったが
海から吹いたら堀江湾では持ちこたえることは出来ないだろう

ヨットで航海中の台風避難は大変だろうなと思った


2004/09/07

 

今朝07:45 堀江 工房前
大きな海上保安庁の巡視船を含め6隻の船がアンカーを打っている
今度は台風18号の避難だ

16号の時は松山でもヨットが沈んだらしい
松山観光港の前の島で木造船だと聞いたので
野中さんという人が12年かけて自作した「瀬戸一」かと思い心配したが
彼の船はちゃんと台風の度にアンカレッジマリーナへ避難していた

今年は九州 四国は 台風の当たり年だ
私の「花丸」は台風が終わってから浮かべることにしよう

今はアンカレッジマリーナの安全な陸上に保管されている
さあ後の仕事はマスト2本を残すのみだ


2004/09/06

 

横浜では昔の友人にお世話になり「智丸」も無事にマストが立ちました

4日には松山に帰っていたのですが
パソコンに触れる時間もなく遊びました

今日から花丸のマスト立てと最終仕上げです

上の写真はソーラーパネルをドッグハウス上に固定するための
チーク製の架台です
一方のソーラーパネルに3本取り付けます

ドッグハウススキャンバーにあわせて3000Rに底の部分を削りました
取り付けはビスを使わないでシーカフレックスを使います

ソーラーパネルを取り付けると電気はほとんど使いたいだけまかなえます


2004/09/01

 

昨日15:00から無事「智丸」トラック積み込み終了
そのままトラックは横浜へ向かった

その後広くなった工房内にマスト部品を並べる

一番奥に3本の白い棒が見えているのは
左からバウスプリット
中央がインナージブブーム
右がミズンブーム

その手前テーブルの上にはスプレッダーなどの部品を出した

右に見える白い棒はガフブームとメインブームである

床のブルーシートの上にマストを支えるステー類を出してみた

さあ今からマストだと言う段取りになった

明日から所用のため5日まで更新できなくなります

 

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