日替わり写真


2009年11月30日

外板外側右舷一本をエポキシ接着

昨日は湿度も下がり右舷外板腐っている5本の内の1本をエポキシ接着

ナイロンシートでトンネルを作り前後から布団乾燥機の暖気を送り込む
前の布団乾燥機は真澄人君から借りる
中央当たりで二つの布団乾燥機からの暖気が抜けるように穴を開ける

船首デッキの三角材と前から5本のデッキビームを接着
もちろん左右のガセット材も同時にエポキシ背着

こちらはブルーシートで覆い石油ファンヒーターの暖気で暖める

エポキシ接着で一番気をつけないといけないことは
温度と湿度と接着面の汚れだ
今朝も暖房しているがもう完全硬化しただろう


2009年11月29日

一足先に出来上がったティラーとフラッグポール

昨日はオーナーと五ヶ所湾ボートサービスの寺田さんご夫妻
(五ヶ所湾で天城を管理していた方)が工房を訪ねてこられた

オーナーが一足先にティラーと船尾のフラッグポールを仕上げてきてくれる
金具部分もぴかぴかでニス塗りの木を見るとやっぱり良いなあとおもう

FRPヨットもティラーだけはニス塗りの木を使う舟が多い

日本ではもう木造ヨットヨットはほとんど造らなくなった
このままだと早晩技術が廃れて今に作ることが出来なくなるだろう

リーマンショック以来世界中のヨット工場が閉鎖に追い込まれていると聞く
仕事としてのヨット作りが成り立たない時代になると
アマチュアビルダーが活躍を始めるのだがそんな話しも聞こえてこない


2009年11月28日

中二階の作業台

昨日も湿度が下がらずエポキシ接着を断念
太陽が出ず風が無く工房回りの土が雨水を吸って黒い状態だ
湿度計は75%を横這いあきらめざるを得ない

作り出したガセットに木ネジを止める穴を開けたり
船首ステム材の直ぐあとに入れる大きな三角材を切り出したり
バルクヘッドやデッキに使う耐水合板を見積もったり
接着以外の出来ることを進めた

 


2009年11月27日

右舷外板仮取り付け

右舷外板腐っている部分を取り除き一段分仮取り付けの後木ネジを外して取り外し

15:00さて本格的にエポキシ接着をと思い湿度計を確認すると70%を超えている
昨日は接着をやめにして船首デッキビーム取り付けニーを型取りして入れる

前から7本目までのフレームとビームをつなぐ左右のニーを14枚仮止め

今日は昼くらいから右舷外板の一本とニーをエポキシ接着する予定です

 


2009年11月26日

デッキビームを船首から仮取り付け

湿度が高く外板の接着が出来ないので船首側からデッキビームを仮合わせ

足場が斜めになるのでなかなか体勢を保つことが出来ない
それでも何とか7本分のデッキフレームを仮に取り付けることが出来た

写真手前のステム材は腐っている部分を取り除き新しい材をスカーフ繋ぎで入れた物

今日も湿度は80%なのでエポキシ接着は出来そうにない

 


2009年11月25日

船尾を下から見上げる

船尾のトランサムフレームを2本にした部分に
外板側から木ネジをねじ込む

写真右上に写っているのは外板材の一枚
右舷上方の外板が5段ほど腐っているので取り替える

一度に取り除いてしまったのでは船体の形が歪みそうなので
一枚ずつ取り替えることにした

今度は昔の工法とは違いエポキシ接着を使うので
和紙とペイントとリベットを取り除く作業が結構難しい

昨日は一本分も仕上げる事が出来なかった

今日は湿度80%を超えているのでエポキシ接着は出来ない
デッキビームの仮合わせをやることにする


2009年11月24日

久しぶりに「花丸」に乗る

メインセールが破れたので修理した(白い部分)
まだ進水して5年なのに一気に長距離を走り
(本州一周・九州一周・ニュージーランド往復・四国一周 合計20000マイル)
セールは普通のヨットの一生分くらい痛んでいる

メインのガフセールは一度取り外すとセッティングに非常に手間取る
何もかもシート(ロープ)で固定している
ピンと張らないでゆるめゆるめで風をはらんだときのセールの形を出す

一時間くらいかかってやっと綺麗なカーブが出て風を巧く流せるようになった


2009年11月23日

合板接着積層

雨が降り始める前の湿度の低い内にガセット用の合板積層接着

H鋼の上で9ミリと4ミリの耐水合板を接着して13ミリの合板を作った

クランプで思い切り締め付けマスキングシートで覆い
その上に毛布をかぶせて片方の端から布団乾燥機で暖気を入れる
反対の端に暖気の吹き出し口を作ると全体が暖かくなる

ガセット数は48枚

今日は久しぶりに「花丸」を出航させようと考えている


2009年11月22日

右舷船尾フィレットつけ

昨日も一日しゃがみ込んで右舷船尾に向かってフィレットつけ

夕方16:00くらいにやっと終了

今日明日は滑床渓谷へ行く予定にしていたが広島の友人達が来なくなり取りやめ
やっぱり仕事をすることにした

耐水合板を切り出してガセットを作る


2009年11月21日

一日中フィレットつけ

写真に写っている範囲のフィレット付けが終了した

バルクヘッド(船内横方向の仕切り板)が付く部分と
ガセット(船体フレームとデッキビームをつなぐ板)の部分は外してある

工房中に低粘度エポキシの匂いが充満
工房二階にあるMast Original への階段は蓋をして匂いが上がってこないようにする

僕は一日活性炭吸収缶マスクをして仕事
散歩で綺麗な空気を吸ったときにはホッとする


2009年11月20日

左船首内シアーとステム先端の腐った部分交換

新しいケヤキ材を入れエポキシ接着

温度が不足しているので布団乾燥機で暖房
端から暖風を入れ反対の端から吹き出す

マスキングシートでは保温性が悪いので上に毛布を掛けた


2009年11月19日

ステム材の腐った部分をはつり取る

外板を止めるために大量の木ネジが入っている
鉄鋼用ヤスリで自作したノミを使い船首材の腐った部分をのけていく

体勢が悪くなかなか進まないので一撃一撃を大きくするために中ハンマーを使った
銅か真鍮の木ネジに当たる度に刃が痛みグラインダーで研ぐ

他には全てのデッキビームを昨日中に寸法取りして仕上げた
取り付けにはフレームとデッキビームをつなぐガセット材が必要だ


2009年11月18日

製材

雨が降り湿度が上がったのでエポキシは使えない

船内側マストステップやデッキビームをケヤキから切り出す

一日中製材
丸鋸で縦方向に長さを切り1人で持てる重さにする
バンドソーでフレームの曲がりに合わせ切り出す
出来た材を丸鋸でフレーム厚味に落とし厚味をそろえる
それにプレーなーをかけて仕上げる

一日で集塵機の袋に半分以上木くずが溜まった
45リットルナイロン袋3袋の木くずが出た


2009年11月17日

マイクロバルーン・エポキシフィレットつけ

フレームと外板が接触する角にフィレットをつける

低粘度エポキシ主剤と硬化剤をエアードリルに取り付けたプロペラで撹拌
マイクロバルーンを洗濯石けんに付いているスプーンですくって投入
丁度良い堅さになったら垂れ止めのアエロジルを入れしっかり撹拌
柔らかいが垂れない堅さのマイクロバルーン・エポキシパテを作る

フィレットを付けると接着は圧倒的に強くなる
木ビスやボルトナットで留める昔の工法よりも
エポキシ接着の方がハードスポットが無く接着力は強い

その上に接着物同士の角にエポキシフィレットを付けると
材料同士の接着性は圧倒的に上がりもう接着を剥がすことは出来なくなる
接着が剥げるときは材料破壊が起きる

このフィレット付けがWEST工法の神髄だ


2009年11月16日

フレーム接着

合わせて仮止めしていたフレーム14本と
ダブらせたトランサムフレームをエポキシ接着

日中でも20度を割る日だったのでストーブをつけてその前でエポキシを暖めながら混合
一本のフレームごとにエポキシを練る方法で初期硬化を早める為に暖める

丁度一日中かかった接着が終わり散歩を始めた所で
オーナーから電話がある

フラッグポストとティラーを磨いてニス塗りが終了したそうだ
あのボロボロに剥げていたニスがどうなったか見るのが楽しみだ


2009年11月15日

フレーム繋ぎ材切り出して合わせクランプで固定

切りかいだ全てのフレームに新しいフレームを継ぎ足す

つなぐ部分を挟み込んで接着する為の材を切り出し
現場ごとに合わせてクランプで仮止めしていく

昼過ぎに広島県から江田島カヌークラブのメンバーが
FRPカヌーの作り方を教えて欲しいと工房を訪ねて来る

ほんの2時間ほどだったが今でも自作をしたいという人たちが居るんだなと感心した
僕も25年前までは一生懸命ヨットを自作していた
違いはわいわいがやがやと楽しそうに沢山の人が集まってやるか
僕のように1人ヨット工作の腕を上げるために次々と難しいヨットに挑むか

今なら早く作って又は買って乗ることの方に専念したいなあと思う


2009年11月14日

右舷フレーム合わせ

右側フレーム9本を削りながら入れる

トランサムの切りかいだフレームも型取りして入れ
その前に抱かせるようにもう一本ダブらせてフレームを入れることにした

外板の船尾の端を止めている木ネジが効いていないので
直ぐ前に木ネジを打ちエポキシ接着と併用してがっちりと船尾を固めようと思う

各新しく作ったフレームの繋ぎ材を切り出している時に時間切れとなる
一日の時間が経つのが非常に早いと感じる


2009年11月13日

フレームをケヤキの板から切り出し

ちょっと見た目にはボロボロに見えたケヤキ
フレームを切り出してみると腐っているのは辺材で
使う部分はしっかりとケヤキの色を保って堅く実によいケヤキだ

ケヤキも大木になると中心に空(うろ)が出来船用材としては使えない物になるが
送っていただいた材は400ミリから600ミリメートル幅の丁度良いサイズだった

昨日は一番幅の狭い一本を使って一昨日作っておいた型を使い
切りかいだフレームを全て(14本)切り出した

左船尾部分のフレームを現場に合わせて夢中になってはめ込んだ
丁度5本を入れ終わったところで17:00になり仕事を止めて連れ合いと夕方の散歩に出た


2009年11月12日

フレームを取り外した部分の型取り

昨日は右舷9本・左舷5本の切りかいだ部分のフレームを型取り
ケヤキ材を使ってフレームの切り出しにかかる準備をする

今日は小型ベルトサンダーの新しいベルト刃が来たので角の部分のサンディングと
ケヤキを積み替えて幅の狭い物からフレーム制作に使う事にする

昨夜は風が強く湿度が一気に下がったのでフレームと外板が接する部分に
マイクロバルーンエポキシフィレットをつける仕事もある

今できる仕事の種類は多い方が一つをずっとやり続けるより気が楽だ


2009年11月11日

ケヤキ到着

一週間以上かかったがケヤキ材がやっと伊豆半島の方から到着

運んできてくれたトラックの運転手さんと僕でやっと持ち上げることが出来る重さ
上に乗っていた小さめの物を先に降ろしてその上に幅広の物を積んだが
もう積み替える気はしないくらいの重量だった
倒れてはいけないのでつっかい棒をした

仕事は雨が降り始めたので擦り残した部分のサンディングと
船内からの木ネジ打ち込み
大量の木ネジをリベットの隣に打ち込んだ
あと半分くらいで終了する


2009年11月10日

管導材整形と借り合わせ

接着積層した管導材を取り外し
先ずバンドソーで三角に不要な部分を切り取る
その後プロペラシャフトが通る管の部分を左右半分に割る

そして管の部分を掘ってきちんと管が入るように削り出す

写真は昼までに借りあわせをしたところ

この後エポキシと木ネジを使って管導材左右を合わせキールに接着
プロペラシャフトが触れ回らないように完全に固定する

図面には無いが全体を押さえ込むような形で左右のフレームに押さえ木を渡す


2009年11月09日

管導材積層接着

写真は管導材(プロペラシャフトが通るパイプの回りの材)を積層接着した物

フレームのフィレットつけだけだと毎日同じ写真になるので
今日は管導材を積層接着した物を写した

この材の段々になっている所をそぎ落として横から見たら三角の材を作る
それを半分に割ってプロペラシャフトが通っているパイプの部分を削っておいて
パイプを挟むようにしてキールと一緒に接着する


2009年11月08日

マイクロバルーンエポキシフレット

強力な補強のためにマイクロバルーンエポキシフィレットをフレームと外板の角に入れる

外板二層のリベットを補強するためにステンレス木ネジをその直ぐそばに同じ数だけ打ち込み
フレームと外板の補強にフィレットを付けた

フィレット付けはなかなか時間がかかる仕事で
昨日一日かかって全体の1/8くらいの面積がやっとだった

もちろんバルクヘッド(船内横方向の仕切り板)が入る部分は外してある
フレームにバルクヘッドを接着した後にフィレットを入れる予定だ

これで船穀は新艇の時と同じくらい又はそれ以上の強度になっただろう


2009年11月07日

スケグ補強

写真はキールを突き抜けて船内に出ているスケグの補強

雨漏りで補強の分厚い板が腐っていたので腐っている部分を取り除き
接着と木ビス留めとクランプでの固定を併用して元に戻した

昨日は左船体ダブルプランキングのリベットの隣に
3.1×20の木ネジを船内側からエアーインパクトドライバーを使って打ち込んだ
1800本の木ネジはエアードライバーを使ってもなかなかの量だった
不足分は直ぐに注文して来週には手に入れる
(リベットは船体全体でおよそ5500本打ち込んである)

ほとんどの部分は2層の外板がリベットで完全に密着していたが
何カ所かは木ネジが薄い内外板を押さえつけたところがあった

古い工法では外板と外板の間に挟んだ和紙とペイントで水の侵入を防いでいたが
(外側の外板は常に水に濡れて膨張し隣の板との隙間を押しつぶして水の侵入を防ぐ)
今回のレストアではインタープロテクトというエポキシで水を木と遮断する
何時も濡れた状態にあった外板外側が完全に乾燥してから施工する


2009年11月06日

船内サンディング

船首側も含むフレームのサンディングも全て終わった

足場が悪くサンダーを両手で持たないと危険という悪条件では
緊張が長続きしないので他の仕事を挟みながらのサンディングやっと終了

舟食い虫が食っていた外板を取り外し新しいのを作ってエポキシ接着
スケグが船内に貫通している部分の補強板が腐っていたので取り替える
コクピット船尾側ビーム材2100ミリメートルの積層接着

等の仕事を織り交ぜながら怪我をすることもなくサンダーによるサンディングを終えた

外板とフレームの接する面にエポキシフィレットを付けて補強するが
今からやらないといけない細かい隅っこのサンディングは小ベルトサンダーでその都度やる

今日あたりオーナーが渡辺さん(天城を設計した渡辺修治さんのご子息)から譲り受けたという
ケヤキ材が松山に到着するのだろうか
長尺物の運送は普通の宅急便の様に今日出荷して明日には到着というわけにはいかないようだ


2009年11月05日

舟食い虫

左舷中央ウォーターラインの直ぐ下に舟食い虫が入った跡があった

瀬戸内海に沢山あった木造の小さい漁船が無くなったのは
雨の真水がデッキや木の接合面に溜まりバクテリアが木を腐らせた事と
この舟食い虫が船底から外板を物理的に食った事による

舟食い虫は実に上手に蓋までして木の中に入る
木の中に入ったらどんどん木を食いながら進むが
開いた穴の内側には白いカルシュウムのトンネルを造る
それと食い始めた木と接する隣の木には移ることが出来ないらしく
侵入した木のみを横に食っていく

ほんの1.5メートルの間で取り除いて新しい外板をはめ込む事にした


2009年11月04日

ドッグハウス入り口ビーム積層接着

フレームのサンディングは集中力が続かないと危険なので
昼までで取りやめ

昼からはドッグハウス入り口強力ビーム材を積層接着
2材作りエポキシを塗るだけでも2時間かかった

エポキシを塗った材をサランラップで包み
当て板を当ててクランプでマスト積層接着用のH鋼に締め付ける

これで真っ直ぐで1材よりも圧倒的な強度の材が出来る


2009年11月03日

フレームサンディング

フレームのペイントを13#の粗い刃をつけたサンダーで落とす

両手でしっかりサンダーを持っていないと振り回されて危ない
足場が悪いのでついつい何時ものように片手でサンダーを使おうとするが
サンダーの刃が粗いと言うことを何時も頭に入れていないといけない

集塵機と引き抜きブースは回りっぱなし
それでも工房の中が隅々までホコリっぽい

残り半分 気を入れてサンディングをしよう

フレームも所々小さく腐った部分があることが解った
別の木を抱かせて補修することにする


2009年11月02日

引き抜きブース

船内フレームのペイントをサンディングで落としていたが
昨日は久しぶりの雨が降り引き抜きブースの水を入れ替えることにした

写真の白い壁いっぱいに水を上から流し
下の隙間から動力200Vの強力ファン2つで工房の汚れた空気を外へ引き抜く

サンディングの粉や吹きつけミストなどで工房中が霧がかかったようになっても
あっという間に綺麗な空間にしてくれる優れものだ

水は循環させる仕組みだが腐らないように塩素を時々入れ
塵を包み込む泡を作るために洗剤を入れている

一年に一度ブースのため池の底に溜まったヘドロを取り除く仕事がある


2009年11月01日

右舷内外板接着


(下は真澄人君が写してくれた写真)

右舷の外板内側腐っている部分を入れ替え接着

昨日は朝から内外板の厚味に合わせて7ミリメートル厚味のマホガニーを作る

製材をする度に思うのだが
バンドソーや丸鋸で厚味を落としそれに自動かんなをかけて必要な材を作ったときには
立ち木の時の木の半分くらいは無くなっているのではないだろうか

集塵機の袋の中には右舷と左舷の内外板を作っただけで80リットルの木くずが溜まった


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